脛骨高原骨折 ひざの痛み残存遺障害12級13号認定事例(令和7年認定)
(令和8年5月20日原稿作成)
交通事故状況・受傷状況
被害者は本件事故時70代の男性であり、労働所得のある方でした。
被害者は、バイクにのり、交差点で青信号になり、直進しようと発進したら、被害者の右やや後ろにいたバイクが強引に左折を強行して被害者のバイクに衝突するという交通事故が発生しました。
被害者はこの衝突を受けてバイクもろとも転倒し、負傷し、近くの病院に救急搬送されました。
レントゲン検査とCT検査が実施された結果、脛骨高原骨折 などの受傷を負いました(ほかの傷病名は省略いたします。)。
本件被害者は、骨折の程度がひどかったので、プレートを挿入する手術が行われました。
脛骨高原骨折(けいこつこうげんこっせつ)の後遺障害で注意するべきこと
脛骨(けいこつ)とは、ひざから足首にかけてある長い骨のことであり、そのうち、ひざの端、つまりひざの関節面にある部分を脛骨高原部といいます。
被害者はこの部分を骨折しました。
バイクや自転車に乗って交通事故にあったとき、脛骨高原骨折はよく発生する骨折傷病であるといえます。
弁護士金田は、これまで何件もこの脛骨高原骨折の後遺障害等級問題を取り扱ってきました。
脛骨高原骨折を受傷したケースでは、当法律事務所の経験上は手術となるケースが圧倒的に多いです。
脛骨高原骨折の手術後では、少なくとも以下の点にまず注意しておいた方がいいです。
1 折れた骨が最終的にきれいにくっついたのか、それとも少なくとも変形してくっついたり、ひざの関節面が整っていない状態でくっついたのか
※折れた部分が全くくっつかない場合には、偽関節(ぎかんせつ)という問題があります。
2 骨折部を固定するために体内に挿入されたプレートなどは、最終的に抜くのか、そのままにするのか
1の点は、手術をし、退院後外来通院のときに、レントゲン検査が行われて担当整形外科医の先生が骨の状態を確認されます。
このとき、折れた骨が順調にくっっついてきているのか、くっついてきているとしてきれいにくっついているのかどうかの指摘も受けておいた方がいいと思います。
その際、ひざに痛みやしびれがある場合にはきちんと担当医の先生にお伝えいただくことが重要です。
また折れたひざの関節面が整っていない状態でくっついていたり、変形が生じていたら、ひざ関節の可動域制限にも注意していただく必要があります(つまり、可動域制限の有無と、制限があるとしてその制限の程度)。
脛骨高原骨折でも、一応、折れた側の下肢の短縮の問題もありますので、意識はしておく必要はあります(ただ、下肢短縮障害単体として後遺障害等級が認定されるケースは少ないとは思われます。)。
前後の十字靱帯(じんたい)など、ひざの靱帯が損傷して動揺関節(どうようかんせつ)の問題が生じるケースもありますが、ここでは省略いたします。
これらの点、回復に向けて治療に集中されている被害者ご本人が一人で意識していくことには限界があるものと思います。できれば、交通事故の後遺障害問題にくわしい弁護士の相談、早期依頼をご検討いただき、治療中もこの弁護士と話をしながら進めていかれると、漏れを防げる可能性が高まるといえます。
1の点に関し、(担当医の先生と被ばくの問題をご相談いただく必要がありますが)治療終了が迫ってきた時期のひざ骨折部のCT画像が有用 です。
折れたひざの関節面が整っていない状態でくっついているのかどうか、変形が生じているのかどうかについては、レントゲン画像では、ある一つの方向からの撮影となるためにはっきりとしない場合があります。
他方、CT像であれば、骨の全体の状態を確認することができ、レントゲンに比べ、より細かい骨の状態が確認できます。これがCT画像が有用であるという理由です。
2の点について、なぜ重要なのかといいますと、賠償実務上の症状固定時期(治療終了時期)が変わってくるからです。
体内挿入物の除去(抜釘:ばってい とよく言われます。)の手術が予定されているケースは、どんなに早くともこの手術が終わらない限り、賠償実務上、治療終了とはなりません。
入通院慰謝料(傷害慰謝料ともいいます)という損害費目は、治療終了時期をもとに計算していくことになりますが(治療終了時期自体、加害者側から争われるケースもありますが)、治療期間の長短で慰謝料額の算定が変わってきます。
また、休業損害についても最長で治療終了時期まで認められる可能性がありますので、治療が終了するかによって、休業損害額も変わってくる可能性があります。
いずれにしましても、これら損害についての点も複雑で、法律の専門家でなければなかなか難しいところです。この意味でも、骨折を受傷したケースは早期に交通事故の後遺障害問題にくわしい弁護士の相談・依頼を検討すべきといえます。
本件被害者ですが、途中で担当医の先生の異動もあり、病院サイドとのコミュニケーションが十分に取れているとは言いがたい経過をたどりました(骨折したひざの痛みなどの症状は伝えられていたのですが。)。
当法律事務所弁が本件でご依頼をいただいたのが事故から8ヶ月を経過してからでしたが、上記のとおりなかなか難しい状態でした。
骨折部分の体内に挿入されたプレートについて、すんなりと決まりませんでしたが、結局、年齢面が考慮されて抜かないということになりました。
弁護士からは、最終でCTを撮っていただけるのかどうかを担当医の先生とご相談くださいと被害者のご家族にお伝えし、ご相談のうえ、やっと撮っていただくことになりました。
受傷したひざのCT検査ですが、事故当日以降全く実施されていませんでした。
本件の骨折したひざの関節面の状態は、レントゲンでははっきりとわかりづらい状態でしたので、なおさらCT検査が必要な状態でした。
CT検査を受けてからすぐ、後遺障害診断となりました。症状固定となった時期は事故から1年余り経過した時でした。
後遺障害診断書の記載
■自覚症状欄
膝の痛み等の記載がありました。
■他覚症状および検査結果欄
ひざについて、CT上はわずかに関節面の不整はあるが、関節の機能を障害するほどの状態ではない との記載がありました。
■下肢長について
骨折を受傷した側が健側(受傷していない側)と比べて0.5センチメートル短くなっている記載になっていました。
※0.5センチメートルの短縮は下肢短縮障害の認定要件に該当しません。
■ひざ関節の可動域制限
骨折を受傷したひざ関節は、健側(受傷していない側)と比べてほぼ変わらない可動域数値でした。
この後遺障害診断書の記載を見て、本件で認定可能性がある後遺障害は、ひざの痛みが残った後遺障害のみであるという見立てをしました。
もっと具体的に言いますと、痛みが残った後遺障害について、後遺障害12級13号の認定可能性があるかどうかという見立てです。
この点につき、後遺障害診断書には、CT上はわずかに関節面の不整はあるという記載を受けました。
しかし、後遺障害等級を判断する自賠責保険も、医師の記載内容があったとしても、実際に画像を確認し、後遺障害12級に該当するほどの画像の状態であるかどうかを判断する傾向があると考えております。
何が言いたいかといいますと、いくら担当医の先生が後遺障害診断書に「画像上の異常があり」と記載されていたとしても、自賠責保険が「画像を見たけれどもそこまでははっきりしていない」と判断し、等級が認定されなかったり、認定された等級が低かったというケースは少なくありません。
したがって、被害者からご依頼をお受けする弁護士には、後遺障害等級認定に関係する画像を見る力が求められる と当法律事務所弁護士は考えています。
後遺障害等級認定の申し立て
後遺障害等級認定の申し立ても、当法律事務所が代理しました。
被害者からお預かりした後遺障害診断書や画像CD-Rのほか、この画像CD-Rの中でも特に自賠責保険に確認をして欲しい部分をピックアップして印刷し、アピールをしました。
その一例が以下の写真です。
以下はいずれも症状固定間際に施行されたひざのCT画像です。


ひざの関節面の異常について、本件はどちらかといえばわかりにくい方でしたが、「このあたりはよく確認していただきたい」ということで提出したものです。
後遺障害等級認定結果…12級13号が認定されました。
以下の内容の後遺障害等級認定結果が返ってきました。

脛骨近位端骨折と書いてありますが、脛骨高原骨折と同じ意味です。このほか、プラトー骨折という言い方もされますが、これも同じ傷病です。
提出の画像上、ひざの骨折部は骨癒合が得られているものの、関節面の不整が認められました。
関節面の不整が認められれば、ひざの痛みは他覚的に神経系統の障害が証明されるものと捉えられ、局部に頑固な神経症状を残すものとして後遺障害12級13号の認定に至りました。
示談成立
本件では認定された後遺障害12級を上回る等級を目指すことは極めて難しかったので、被害者とご相談のうえ、最終示談に進むことになりました。
(以下は千円以下省略しております。)
最終示談で635万円の請求をし、549万円 の支払いを受ける合意ができ、示談が成立しました。
後遺障害12級が認定され、自賠責保険から支払いを受けた224万円とあわせ、当法律事務所弁護士がご依頼を受けた以降、773万円 を獲得することができました。
交通事故骨折事案の後遺障害等級と画像
交通事故で受傷し、骨折したケースの自賠責保険後遺障害等級審査では、特に、レントゲンやCT等画像の状態が重要視される傾向があると感じています。
というよりも、骨折事案の等級審査は特に「画像がほぼ全て」というイメージすらあります。
それだけに、画像をふまえたうえでのより正確な等級の見通しが弁護士には求められると考えております。
当法律事務所では、このようなより正確な等級の見通しを目指して毎日研鑽をしております。
交通事故骨折事案はぜひ当法律事務所にお問い合わせください。
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