4部位で後遺障害14級9号が認定され、弁護士受任後475万円の支払を受けたケース

 
 自動二輪車に乗って道路を直進走行していた京都市にお住まいの方が被害者でした(40代男性会社員)。バイク走行中の被害者の左側を走行していた加害四輪車が、急にハンドルを右に切ってUターンをしました。被害者は進路をふさがれる形になり、何とかよけようとしましたが、加害四輪車に衝突されてしまい、被害者はバイクとともに転倒しました。
  被害者は救急搬送されました。

 ※ 過失割合について
  本件では被害者側の過失はなしで最終解決をしました。
 
本件の事故現場が転回禁止場所だったことも申し上げておきます。

 

  • 被害者の受傷と治療

 
 被害者には骨折、脱臼はありませんでした。しかし、頭部、腰(左下肢しびれもありました)、左股関節、左膝、左足首などに痛みなどの神経症状が発症し、歩行に支障が生じました(左膝には骨挫傷がありました)。

 被害者は、救急搬送先の病院から転院され転院先の病院では3週間ほど入院することになりました。
 退院後も被害者は病院でのリハビリ通院を継続しました。
 しかし、それでも、被害者の膝には痛みがあり、歩行が困難な状態だったことなどから主治医の先生のご意見により膝に支柱つきの軟性装具をつけ続けることになりました。それだけでなく足底装具もつけ続けることになりました。

 被害者はリハビリを続けましたが、痛みなどの神経症状がずっと続いていたことから、ステロイドを混注した注射が実施されたり、末梢性神経障害性疼痛薬が処方されたりしましたが、被害者の神経症状は改善しませんでした。

 

  • 当法律事務所弁護士受任、被害者との病院同行

 
 被害者は、通院治療を続けても症状が改善しないこともあり当法律事務所の無料相談におこしになり、当法律事務所弁護士が受任しました。

  当法律事務所弁護士は、一番痛みの症状が強かった左膝が気になりました。骨折や脱臼を受傷してもおかしくないほどの事故態様だったこともあり、もしかしたら骨挫傷のほかに、膝の靱帯(じんたい)が断裂したり、損傷したりしていないかと気になりました。被害者にお聞きしたら、膝に焦点を当てたMRI検査は実施されていないということでした。

 そこで、当法律事務所弁護士は、被害者と病院に同行することにしました。主治医の先生とのお話で、後日に膝のMRI検査が実施されることになりました。また、当法律事務所弁護士は、被害者の下肢の筋力がどうなのかもうかがいましたところ、左下肢に筋力低下があること、右下肢に比べて左下肢の筋肉が萎縮していることがわかりました。

 ※筋肉の萎縮(筋萎縮)…下肢の筋萎縮の検査というのは、左右の大腿部分と下腿部分をメジャーで何センチメートルあるのかを測定する検査です。本件では、左の大腿部分と下腿部分の周径が右よりも短くなっていました。

 
 後日のMRI検査をふまえて診察があり、当法律事務所弁護士は再び被害者の病院に同行しましたが、MRI画像上、膝の靱帯の損傷はうかがえないということでした(ひざがしらの腱にも異常はありませんでした。)。

 

後遺障害等級認定

 
 結局、被害者の症状は改善されず、症状固定となり後遺障害診断になりました。

 ※ 腰部については弁護士受任前にMRI検査が実施されており、当法律事務所弁護士は、後遺障
 害診断時期までにMRI画像を確認すること
ができました。当法律事務所弁護士が腰部MRI画 
 像を確認したとこ
ろ、後遺障害等級が認定されるといえる異常(椎間板膨隆部位、椎間孔が狭く
 なっている部位の存在)がありました。

 

 後遺障害等級認定の申し立ては当法律事務所弁護士が代理して行いました。
 被害者請求による申請です。

  後遺障害等級認定結果ですが、以下の4部位でいずれも14級9号が認定されました

 
 ・頭痛             …14級9号
 ・腰椎捻挫後の腰痛・左下肢しびれ…14級9号
 ・左膝痛            …14級9号
 ・左足首部分の痛みなど     …14級9号
  (※ いずれも神経症状の後遺障害です。)

 
 この後遺障害等級認定により、自賠責保険会社から75万円の支払いがありました。

 

交通事故の示談交渉を弁護士が行う

 
 後遺障害14級が認定された結果を受けて、被害者とのお話により最終の示談交渉に進むことになりました。
 示談交渉の結果、最終段階で相手方任意保険会社から400万円の支払いを受ける合意ができ、示談が成立しました。
 休業損害については被害者が請求され、すでに支払済みでした。また、治療費は相手方任意保険会社から直接医療機関に支払われていました。上記の400万円というのは、治療費、休業損害を除いた金額です。

・傷害慰謝料…被害者側から220万円で請求しました。
・後遺障害逸失利益…被害者側から124万円(千円以下省略します)で請求しました。
          これは、労働能力喪失率5%、労働能力喪失期間5年で計算した金額です。
          
また、被害者は交通事故にあった年に転職されていました。事故前年に所属
          していた会社の年収よりも、
事故時に所属している会社(1年間フル稼働の
          実績
がないケースでした。)の3ヶ月の収入の方が多かったこともあり、事
          故時に所属している会社の収入を
ベースにした年収の主張をしました

 ・後遺障害慰謝料…被害者側から110万円を請求しました。

  •   ※ただし、後遺障害部分はすでに自賠責保険から75万円の支払がありましたので、実際にはこの 
       75万円を引いて請求しております。
      ※上記各金額は、いずれも裁判基準の請求です。

 
 示談交渉では、傷害慰謝料、後遺障害逸失利益、後遺障害慰謝料のいずれも、被害者側からの請求金額どおりの合意ができました。

 このように、当法律事務所では、示談段階でも裁判基準の解決を求めて交渉をしていきます。