バイクで交通事故にあいケガをした場合に気になる後遺症を弁護士が解説

(令和7年7月4日原稿作成)

 

バイク事故でケガをすると重度後遺障害が残るおそれがある

 

バイクに乗っていて交通事故にあうと、相手方車両がバイク運転者の体に直接衝突したり、バイク運転者が転倒して地面などに体を直接打ち付けたりして、 体に大きなエネルギーを受けることになります。

 

そうなると、重傷を負うことになります。

 

重傷を負うことになると、後遺症(後遺障害)も重度になるおそれがあります。

 

 

 

重度後遺症が残った場合、どうしたらいいのか?

 

重要なのは、交通事故の相手方から適正な賠償を受けることです。

 

後遺症とは、将来的に回復が見込めない症状のことですので、治療を続けても改善が見込めないということになります(もちろん、悪化をできるだけ防ぐという意味で治療が必要となるケースはありますが。)。

 

特に、重度後遺症が残り、交通事故前とくらべて労働が十分にできなくなった場合、被害者やそのご家族が生活に困るおそれがあります。

 

このことも含め、交通事故の相手方から適正な賠償を受けることが重要になります。

 

 

 

 

適正な賠償を受けるためには

 

治療にたずさわっておられる担当医の先生は、患者(被害者)の受傷を治すことを目標にされています。

これは医師の先生の本分だからです。

 

しかし、治療をしても残ってしまった後遺症のことが自賠責保険や労災保険でどのように審査されるかについて、担当医の先生が必ずしもくわしいとは限りません。

 

後遺症の問題については、被害者ご自身又はそのご家族が努力しなければならないことがたくさんあります。

 

しなければならないことができていないと、 適正な賠償を受けられなくなるおそれがあります。

 

これらをできるだけ防ぐために、交通事故後遺症の取り扱い経験が豊富な弁護士に相談するということはとても有益です。

 

 

 

 

まず体のどの部分を受傷し、どのような診断を受けたのかを理解する!

 

交通事故後遺症の取り扱い経験が豊富な弁護士は、受傷部位と確定診断された傷病名を見れば、残るかもしれない後遺症をイメージすることが可能です。

 

残るかもしれない後遺症の見当がつけば、治療中にも必要なアドバイスを被害者に送ることができ、ひいてはそれが残った後遺症に見合った後遺障害等級認定と適正な賠償金の獲得につながります。

 

ですので、体のどの部分を受傷し、どのような診断を受けたのかを被害者またはそのご家族が把握しておく必要があります。

 

以下、部位ごとに説明していきます。

 

※以下では、捻挫・打撲、歯の受傷は省略しております。

 

 

 

 

頭部、脳を受傷した

 

頭部は、頭蓋骨の内側に硬膜、くも膜という膜があり、その内側に脳があります(以上、かんたんに説明いたしました。)。

 

特に、この硬膜やくも膜付近から出血して血が溜(た)まった状態になっていたり、脳の部分の損傷を受けていたりすると、重度後遺障害が残る おそれがあります。

 

関係する傷病名脳挫傷、外傷性くも膜下出血、急性硬膜下血腫、びまん性軸索損傷など

 

残るおそれがある後遺症の例

●遷延性意識障害(植物状態)

●身体の機能障害(麻痺など)

●高次脳機能障害(記憶障害、怒りっぽくなる、注意力低下、意欲低下など)後遺障害等級としては1級、2級、3級、5級、7級、9級があります。

●てんかん

●感覚の障害…視覚(視力障害、視野障害など)、聴覚(聴力障害、耳鳴り残存など)、味覚(味覚脱失など)、嗅覚(嗅覚脱失など)

 

弁護士金田が解決した下の事例もごらんください。

交通事故 脳挫傷 もの忘れなど 高次脳機能障害 後遺障害7級 嗅覚脱失12級 弁護士受任後3562万円で解決した事例

 

 

 

 

顔を受傷した

 

当法律事務所では、頬(ほほ)の骨や顎(あご)の骨を骨折したというケースのご依頼が時々あります。

 

関係する傷病名頬骨(きょうこつ)骨折、下顎骨骨折など

 

残るおそれがある後遺症の例

●頬骨骨折に関し、三叉神経領域のしびれ、感覚鈍麻などの障害により後遺障害12級13号の神経症状残存

●顎の骨に関し、咀嚼(そしゃく)機能障害

●外貌に醜状が残った障害(かおの傷あと)

 

 

 

 

背骨(頚椎、胸椎、腰椎)を受傷した

 

ここでは頚椎(けいつい:くびの骨のことで7つあります。)、胸椎(きょうつい:むねの骨のことで12個あります。)、腰椎(ようつい:腰の骨のことで5つあります。) を背骨といいます。

 

以下、かんたんに申し上げます。

 

頚椎、胸椎、腰椎のそれぞれ一つ一つの骨は円柱状になっており、その中心は空洞になっており、その中を脊髄(せきずい)という神経が通っています。

1つ1つの骨の 主要部分(円柱部分)は椎体(ついたい)といいます。

 

これらの背骨が交通事故で衝撃を受けて折れたり、程度がひどい場合、椎体の中を通っている脊髄に影響して損傷する場合があります。

 

 

関係する傷病名圧迫骨折、椎体骨折、破裂骨折、脊髄損傷など

 

残るおそれがある後遺症の例

●圧迫骨折や破裂骨折に関し、脊柱変形障害(後遺障害11級7号、後遺障害8級相当、後遺障害6級5号)、脊柱運動障害(後遺障害8級2号、後遺障害6級5号)、 荷重障害

●脊髄損傷について、後遺障害等級としては1級、2級、3級、5級、7級、9級、12級があります。

 

弁護士金田が解決した下の事例もごらんください。

脊髄損傷(頸髄損傷) 非該当から後遺障害等級9級に変更され1316万円を獲得した事例

第12胸椎圧迫骨折 変形 後遺障害8級認定後 2164万円を獲得

 

 

 

 

肩のあたりを受傷した

 

上腕骨の骨頭部分、肩甲骨の関節窩(かんせつか)という部分は、鎖骨(さこつ)とともに肩関節を構成しており、上腕骨骨頭がボールで肩甲骨関節窩がこのボールの受け皿をしている関係にあります。

バイクの交通事故で肩付近を打撃することはとても多いです。

 

 

関係する傷病名上腕骨近位端骨折、上腕骨大結節骨折、肩甲骨関節窩骨折、鎖骨遠位端骨折(肩付近の骨折です)、鎖骨骨幹部骨折(鎖骨の中央部の骨折ですが、一応肩付近の骨折として述べておきます。)など

 

残るおそれがある後遺症の例

●鎖骨の変形障害(後遺障害12級5号)

●肩関節機能障害(後遺障害10級10号、後遺障害12級6号)

※痛みが残った後遺障害は省略いたします。

※肩の腱板というやわらかい組織が損傷するケースもありますが、ここでは省略いたします。

 

 

弁護士金田が解決した下の事例もごらんください。

バイクの交通事故で肩甲骨関節窩骨折となった場合の後遺症について弁護士が解説~後遺障害等級12級6号認定~

上腕骨近位端骨折 肩の可動域が1/2以下になり自賠責も労災も後遺障害10級認定

 

 

 

 

 

手を受傷した

 

腕には橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)という2本の長い骨があり、これらの骨の一方の端は手首部分にあたります。

 

この尺骨付近にはTFCC(三角繊維軟骨複合体) というやわらかい組織があります。

 

手の根元付近には有鉤骨(ゆうこうこつ)などの8つから構成される手根骨という骨がありますし、手の指の骨もあります。

 

手の指は特に 親指のケガが深刻になります。

 

関係する傷病名橈骨遠位端骨折、尺骨遠位端骨折、尺骨茎状突起骨折、TFCC損傷など

 

残るおそれがある後遺症の例

●手首の関節機能障害(後遺障害10級10号、後遺障害12級6号)

●1手の親指の用を廃したもの(後遺障害10級7号)

●尺骨茎状突起という部分が骨折した場合、偽関節(ぎかんせつ)という状態が残ることがありますが、この場合後遺障害12級8号が認定されます。

※痛みが残った後遺障害は省略いたします。

 

弁護士金田が解決した下の事例もごらんください。

手の親指の関節脱臼骨折 膝内側側副靱帯損傷 後遺障害9級 弁護士受任後3916万円獲得

手首(橈骨遠位端)骨折 手関節機能障害12級6号 1598万円を獲得

 

 

 

 

 

骨盤、股関節を受傷した

 

大腿骨(だいたいこつ)の骨頭部分と、骨盤の寛骨臼(かんこつきゅう)という部分で股関節を構成しており、大腿骨骨頭がボールで、寛骨臼がこのボールの受け皿をしている関係にあります。

 

また、骨盤の内側には内臓があり、骨盤骨折の程度によっては内臓も損傷するおそれがあります。

 

大腿骨頸部(骨頭がある部分です)の骨折の程度がひどいと、人工関節を入れることになる可能性もあります。

 

関係する傷病名骨盤骨折、大腿骨頚部骨折など

 

残るおそれがある後遺症の例

●股関節機能障害(後遺障害8級7号、後遺障害10級11号、後遺障害12級7号:人工関節を入れた場合もこの後遺障害に関係してきます。)

●骨盤の変形(後遺障害12級5号)

●下肢の短縮障害(後遺障害10級8号、後遺障害13級8号ほか)

※痛みが残った後遺障害は省略いたします。

 

弁護士金田が解決した下の事例もごらんください。

骨盤骨折 股関節の可動域制限 後遺障害12級7号認定ケース

大腿骨頚部骨折 股関節可動域制限 下肢短縮 後遺障害9級事例

 

 

 

 

 

ひざからすねにかけて受傷した

 

ひざの関節(膝関節)は、大腿骨(股からひざにかけてある長い骨)、脛骨(けいこつ:ひざから足首にかけてある長い2本の骨のうち太い方の骨)、 腓骨(ひこつ:ひざから足首にかけてある長い2本の骨のうち細い方の骨)、膝蓋骨(しつがいこつ)で構成されています。

 

ひざには、前十字靱帯、後十字靱帯といった靱帯(じんたい)や半月板(はんげつばん)のようなやわらかい組織もあります。

 

脛骨や腓骨のひざと足首の中間あたりにある部分は骨幹部といいます。

 

関係する傷病名脛骨高原骨折(脛骨近位端骨折、脛骨プラトー骨折とも言います)、脛骨骨幹部骨折、腓骨骨幹部骨折、前十字靱帯損傷、後十字靱帯損傷など

※バイク事故での骨折の中で、脛骨高原骨折を受傷するケースはかなり多いです。

 

残るおそれがある後遺症の例

●下肢に偽関節を残すもの(後遺障害7級10号、後遺障害8級9号)

●膝関節機能障害(後遺障害10級11号、後遺障害12級7号ほか)

●動揺関節(後遺障害8級、後遺障害10級、後遺障害12級)

●長管骨に変形を残すもの(後遺障害12級8号) 例)腓骨骨幹部が偽関節になった

●下肢の短縮障害(後遺障害10級8号、後遺障害13級8号ほか)

※痛みが残った後遺障害は省略いたします。

 

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交通事故50代後半男性 脛骨高原骨折・半月板損傷 関節機能障害 後遺障害12級7号認定ケース 1216万円の賠償金獲得

下肢偽関節が認められ非該当から後遺障害7級に 賠償金が87万円から3251万円にアップしたケース

 

 

 

 

 

足首、足の甲、足の指(足趾)を受傷した

 

関係する傷病名遠位脛腓関節脱臼、足関節脱臼骨折、中足骨骨折、足部骨折、距骨骨折など

 

残るおそれがある後遺症の例

●足関節(足首の関節のことです)機能障害(後遺障害8級7号、後遺障害10級11号、後遺障害12級7号)

●動揺関節(後遺障害8級、後遺障害10級、後遺障害12級)

●足指の用を廃したもの(後遺障害9級15号、後遺障害11級9号、後遺障害12級12号ほか)

※痛みが残った後遺障害は省略いたします。

 

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バイクの交通事故 足関節脱臼骨折 可動域制限後遺障害12級7号認定 交通事故紛争処理センターであっせん解決した事例

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内臓を損傷した

 

肺、脾臓(ひぞう)などを損傷するケースもあります。

 

関係する傷病名多発肋骨骨折・外傷性血気胸(呼吸機能障害)、外傷性脾損傷など

 

残るおそれがある後遺症の例

●ひ臓を失ったもの(後遺障害13級11号)

●呼吸困難が認められるもの(後遺障害7級5号、後遺障害11級10号ほか)

 

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最後に

 

以上、各説明はかんたんにしておりますが、同じような、似たような受傷をされたバイク事故被害者またはそのご家族におかれましては、 ご遠慮なく当法律事務所にお問い合わせください。

 

無料相談でさらにくわしく説明、アドバイスをいたします。

 

上の内容をごらんのとおり、弁護士金田は、さまざまな部位の後遺障害問題を取り扱ってきましたし、現時点でも、ここで書き切れないさまざまな部位の後遺障害案件にたずさわっております。

 

初回の無料相談で弁護士に依頼しなければならないということはありません。まずは、交通事故の民事問題をすすめるにあたり必要なことをひとつでも多く持ち帰っていただきたいと思っております。