頚部痛後遺障害14級保険会社から満額回答で示談解決したケース

 
事故時50代男性です。 
交通事故直前に新たに自営業を開始しようとしていた方でした。

 

  • 交通事故発生状況

 
被害者は、自家用車で国道を走行し、道路外の施設に入ろうとしてほぼ停車していたとき、後方から四輪車が追突し、被害者は受傷しました。
被害者の過失はゼロの交通事故です。

被害者の自家用車の右後部は大破しました。
本件事故時、被害者は、この右後部の損傷状況をすぐ写真撮影していました。
当法律事務所の無料相談の際、この写真をご持参していただきました。

 
 ● 特に、むちうち、腰椎捻挫では、受傷状況が重要です

交通事故で受傷した症状が残った場合に後遺障害等級の問題が出てきます。
後遺障害等級の判断では、[症状が残るほどの衝撃を受けた事故だったのか]という点は重要であると考えられています。

特に、骨折や脱臼のない捻挫(むちうちや腰椎捻挫)では、受傷した状況がどのようなものであったかが後遺障害の判断材料として重要になってきます。

 
● 受傷状況を証明するには?

受傷した状況は、事故状況と大きくかかわってきますので、交通事故でむちうち(頚椎捻挫)、腰椎捻挫した場合は特に、自分の車の損傷状況の写真をとっておくべきです。

 
● もし、自分の車の写真を撮ることができない場合は?

 もし、事故後すぐに救急搬送されたり、症状がきつかったりなどで写真をとることができないような場合には、車の修理工場の方が写真を撮っていると思われますので、その修理工場から写真をもらうという方法が考えられます。
ただしこの場合、修理工場は、写真のデータを長く保存してくれませんので、早めに修理工場に連絡する必要があるといえます。

 

 

  • 通院

 
被害者は交通事故により、くびの痛み、頭痛、肩の痛みなどを自覚しましたが、事故からしばらくはどうしても仕事で出張にいかなければならなかったために、初診が事故から4日目になりました。

初診は大きな病院へ通院されました。頭痛、くびの痛みがあったことからか、すぐ頭部のMRI検査が実施されましたが、特に異常はありませんでした。

ただ、この時点では、被害者は、頚部のMRI検査が必要になるかもしれないことを知りませんでした。

その後、被害者はリハビリができる病院に通院することになり、リハビリ通院を継続されました。被害者は、月に20日を超える頻度でリハビリ通院を継続されましたが、症状は結局改善しませんでした。

 

  • 当法律事務所弁護士受任

 
被害者は、症状固定直前の時期に、当法律事務所の無料相談にお越しになりました。

弁護士がお話をお聞きすると、被害者は、相手方任意保険会社からあと半月後に治療費の打ち切りを言われているとのことでしたが、くびの痛みがきついとおっしゃていました。
相手方任意保険会社が言ってきた治療終了時期は、事故日から6ヶ月余り後の日でした。

弁護士は、事故状況や通院している医療機関や治療状況等もお聞きしたうえで、今後、後遺障害等級認定の申し立てをする必要がある旨アドバイスをしました。

そして、当法律事務所弁護士がご依頼を受けることになりました。

 

  • くびのMRI検査

 
ただし、その前に、急ぎで大事なことをする必要がありました。
それは頚椎のMRI検査を受けることです。
後遺障害診断の前にMRI検査を受け、異常所見があればその所見を主治医の先生に記載していただく必要があります。

被害者の方によると、主治医の先生からくびのMRI検査について何も説明がなかったとのことでしたので、弁護士は、すぐに診察に行き、主治医の先生に相談してみてくださいとお伝えしました。

被害者の方はすぐに主治医の先生の診察に行き、相談され、MRI検査を実施されることになりました。
リハビリ通院先は病院でしたが、MRI器機がありませんでしたので、紹介状により他病院で検査を受けることになりました。

後で弁護士がMRIのCD-Rをお預かりして確認すると、変性も含めていくつか気になるところがありました。

 

  • 後遺障害診断、等級認定の申し立て

 
症状固定日には弁護士も病院に同行し、後遺障害診断に関する主治医の先生のご見解をお聞きすることができました。

後遺障害等級認定の申し立ては弁護士が代理して自賠責保険会社に提出しました。弁護士は、本件で重要なポイントと思われる点はきちんと整理して申し立てをしました。

 

  • 後遺障害14級の認定

 
後遺障害等級認定結果は、くびの痛み、頭痛などの症状について14級9号(局部に神経症状を残すものという後遺障害です)が認定されました。

ここで自賠責保険会社から75万円の保険金の支払がありました。

 

  • 示談交渉

 
※ 以下の金額は1万円未満は省略しております。

 当法律事務所弁護士は、相手方任意保険会社に対し、追加で237万円の請求をしました。

 
● 休業損害、後遺障害逸失利益

 被害者は、交通事故直前に新たに自営業を開始しようとしていたのですが、この事故でけがをし、思うような活動ができませんでした。したがって、休業損害が発生しているといえましたが、事故前の仕事は少し性質の違うものなので、主張、説明がかなり難しいケースでした。
この点は、資料は少なかったのですが被害者からお預かりし、経緯、事情をお聞きし、36万円の請求をすることにしました。

また、被害者の事故前の申告所得はそれほど多いものではありませんでしたが、被害者自身が生活していくためにどれほどのお金が必要であったが、新たな自営業でどれほどの所得を見込んでいたかを主張し、事故前の申告所得を超える年収200万円を主張し、その5%が5年間喪失するものとして、後遺障害逸失利益は43万円を主張しました。

 
● 慰謝料

 後遺障害慰謝料は110万円の主張をし、傷害慰謝料は117万円の主張をしました。

 ※ 上記、後遺障害逸失利益と後遺障害慰謝料のうち75万円は自賠責保険から支払済みになりますので、相手方任意保険会社に対し請求する場合には75万円を引いて請求することになります。

 
● 通院交通費

 5万円ほどの請求になりました。

 
上記合計で237万円の請求をし(これは治療費を除いた金額です。)、相手方任意保険会社から満額回答で合意ができました。

 自賠責保険金75万円とあわせて弁護士が受任してから312万円の支払を受ける解決ができました。

 自営をスタートされたところで大変な事故にあいましたが、この解決が何とか被害者の方の今後の一助になれば幸いです。