70代男性年金受給者 第8胸椎椎体骨折 後遺障害11級認定 治療費を除き466万の支払を受けたケース
交通事故の状況
被害者(70代男性年金受給者)が自転車に乗りそれほど道幅が広くない道路(交差点以外の場所でした)を横断していたとき、道路を直進していたバイクが自転車に衝突しました。
第8胸椎椎体骨折の受傷、入院、通院状況
このような交通事故により、被害者は自転車もろとも倒れ、病院に救急搬送されました。
被害者は、この交通事故後、頭痛や頚部痛もきつかったのですが(頚椎捻挫の診断名もありました。)、第8胸椎を骨折しました。
被害者は1ヶ月ほど入院することになりました。
退院後も被害者は入院先の病院にリハビリ通院を継続することになりました。
交通事故後、入院・通院期間は7ヶ月弱でした。
当法律事務所無料相談、弁護士受任
当初、被害者のご親族の方が相手方当事者と話をされていましたが、過失割合に関し争いになりそうな様子で、被害者の治療費の支払いについて話が思ったよりスムーズに進みませんでした。そこで、ご親族の方が当法律事務所にお越しいただき無料相談をご利用になりました。このとき、被害者の方はまだ入院中でした。
その後、当法律事務所弁護士は、被害者の入院先(京都市内でした)の病院に行き、被害者とお話をしました。
そして、当法律事務所弁護士が被害者の入院中にご依頼いただくことになりました。
当法律事務所弁護士は、被害者が退院されてすぐ、交通事故発生現場に行き、色々と確認しました。被害者の方にも同行していただきました。
治療費の支払い
当法律事務所弁護士は、ご依頼を受けた後、相手方加入任意保険会社と連絡をとり、治療費の支払いについて確認しましたところ、過失割合に関する話合いはすぐに話が出来る状況ではありませんでしたが、治療費についての支払の合意はできました。
被害者は健康保険を使用して入院、通院をしました。
被害者が入院、通院した病院は健康保険を使用する場合、任意一括対応ができないということでしたので、被害者が治療費をいったん病院に支払い、その領収証を弁護士が定期的に預かり、相手方任意保険会社に請求することになりました。
過失割合について
その後、過失割合に関し、相手方側は、こちらに50%の過失があると言ってきました。
その後、弁護士は、実況見分を入手し(当方も相手方もそれぞれ別の日に立ち会った実況見分調書が作成されていました)、当方被害者の過失は20%を超えるものではない旨の主張を継続しました。
交通事故証明書の甲欄、乙欄
交通事故証明書には、甲欄、乙欄といい、当事者を記載する欄があります。
本件では、実は、当方被害者が、交通事故当事者の甲欄に記載されていました。
交通事故証明書を見ると、甲欄には過失割合(責任割合)が多い方の当事者を記載するもの、乙欄には責任がない、又は、責任割合(過失割合)が少ない方の当事者を記載するものと考えがちです。
確かに、甲欄には過失割合(責任割合)が多い方の当事者が記載されていることが多いのですが、交通事故証明書は過失の有無や過失の程度の大きさを証明するものではありませんし、甲欄に記載されているからとって、その者の方が過失が大きいことを証明するものでもありません。
甲欄に記載されている者の方が過失割合が低いということも実際にあることです。
当事者の過失の有無や程度については、さまざまな資料から考えていくことになります。
症状固定時期、後遺障害診断
被害者は治療を続けましたが、頚部痛、腰背部痛などの症状が残り、椎体骨折となった第8胸椎の骨の状態はそのままでした。
本件は、主治医の先生の見解もあり、事故から7ヶ月弱後に症状固定となりました。
後遺障害診断の際、弁護士が同席することをお願いしたのですが、主治医の先生のご了解は得られませんでした。
当法律事務所弁護士は、第8胸椎椎体骨折の程度がどれくらいなのかについて気になりました。
被害者が病院から交付を受けた後遺障害診断書を弁護士がお預かりして確認したとき、第8胸椎椎体骨折であることの記載はありましたが、それ以上に具体的な記載はありませんでした。
ただし、被害者の方は、ご自身が契約されていた傷害保険の請求のための後遺障害診断書を作成してもらう必要がありました。こちらの後遺障害診断書には第8胸椎椎体骨折の程度についてくわしい記載がありました。弁護士はこの内容を確認し、この写しも後遺障害等級認定申請の際に提出しました。
後遺障害等級認定は当法律事務所弁護士が代理して自賠責保険に提出しました(被害者請求)。
後遺障害等級認定結果
第8胸椎椎体骨折については、「脊柱(せきちゅう)に変形を残すもの」として、後遺障害11級7号が認定されました。
その他、頸椎捻挫についても14級9号が認定されました。
併合11級という評価になりました。
後遺障害11級が認定され、自賠責保険会社から331万円の入金がありました。
最終の示談交渉
当法律事務所弁護士が最終の示談交渉も行いました。
被害者は年金収入のみで生活されており、賃金を得るために労働していない方でした(以降も就労可能性がない方でした。)。ですので、本件では休業損害も問題になりませんでしたし、後遺障害逸失利益も問題になりませんでした。
ですので、示談交渉のポイントは、
・妥当であり適正な額の慰謝料の賠償を受けることができるかどうか
・妥当な過失割合で解決できるか
でした。
最終の示談交渉では、150万円の追加請求をし、治療費(治療費については全て最終の示談交渉前に支払いを受けていました。)を除き、135万円(千円未満省略いたします。)の支払いを受ける合意ができました。
傷害慰謝料及び後遺障害慰謝料は当方が計算した金額どおりでの合意ができましたし(傷害慰謝料は160万円、後遺障害慰謝料は420万円)、過失割合についても結局こちらからの主張どおり当方20%、相手方80%でまとまりました。
自賠責保険からの支払を含めると、治療費を除き、依頼を受けた当法律事務所弁護士が466万円の支払を受けることに成功しました。
ひとこと
交通事故で被害者が入院されたら、そのご家族の方も大変苦労されることと思います。
お悩みのご家族の方は当法律事務所にご相談ください。