交通事故後間もない時期から弁護士が受任し、事件解決までの一連の流れを示した事例(人身損害は治療費を除き264万円の支払いを受けました)

 
 被害者は京都市在住の40代男性の方で、給与所得者でした。
 被害者は、自動二輪車に乗って大きな通りを直進していたのですが、同一の方向を走っていた普通乗用自動車が左車線へ進路変更してきて被害者のバイクに衝突しました。この衝突により、被害者もバイクも衝突地点からおよそ10メートル前方で転倒しました。

 

  • 被害者の受傷、急性期の通院状況

 
 被害者は病院に救急搬送されることになりました。幸い、頭部にけがはな く、骨折や脱臼もありませんでしたが、頚椎捻挫(むちうち)、股関節の打撲、腕やひざにすり傷をするなどのけがを負いました。
 この交通事故により、被害者は、くびの痛み、股関節の痛み、ひざの痛み、肩や手の痛み、しびれなどを発症しました。
 被害者は、事故翌日以降も救急搬送先の病院に2日ほど通院された後、個人開業の整形外科医院に通院され、リハビリをされることになりました。

 

  • 交通事故直後にすべきこと ~着衣と傷あとの写真とり~

 
 バイクで転倒した事故であったこともあり、被害者が事故当時着用していたジャンパーやジーンズには破れている部分がありました。事故から数日後、被害者はこれら着衣の破損の写真を撮影されました。また、この時点でも、被害者には腕、股関節部分、膝にそれぞれすり傷の痕がありましたので、この傷も、ご家族の方に写真をとってもらいました。

 

  • 当法律事務所の無料相談、弁護士受任

 
 被害者は、ご紹介で、事故から4日後に、当法律事務所にお越しになり、弁護士の無料相談を受けられました。そして、事故後間もない時期から当法律事務所弁護士がご依頼をお受けし、窓口になりました。
 本件は、物的損害もあったので、これについても当法律事務所弁護士が代理して行い、解決に至りました。

 

  • 休業損害の内払の交渉

 
 また、被害者は、事故後数日間勤務先を休んだため、勤務先に休業損害証明書の記入を受け、弁護士にお送りいただきました。弁護士は、相手方任意保険会社に対し、示談交渉に先立って内払を求め、4万円の支払いを受けました(金額は千円以下省略しております。)。

 ※ 給与所得者のケースで休業損害を請求する場合、通常、休業損害証明書という書式が必要にな
  ります。休業損害証明書の書式は、相手方任意保険会社が持っていますので、交付を求め、勤
  務先に提出し、記載を受けることになります。その際、いろいろわからない点が出てくること 
  が少なくありません。
  お悩みの方は当法律事務所の無料相談をご利用いただければと思います。

  • MRI検査

 
 被害者は、事故後に発症した自覚症状をきちんと医師の先生に伝え、リハビリ通院を重ねました。しかし、くびの痛み、肩や手の痛みとしびれが良くならないので、事故による受傷から3ヶ月弱の時期に、MRI検査が実施されることになりました。

 ※ 個人でご開業されている整形外科医院にMRIの設備がない場合、主治医の先生のご指示でM
  RI機器のある病院やクリニックに通院して検査を受けることになります。

  被害者の方には、MRI検査が終わった後に画像CD-Rの交付を求めていただき、ご入手いただきました。そのCD-Rはすぐに当法律事務所にお届けいただき、弁護士が確認することができました。

 当法律事務所弁護士として、早めの段階で頚椎捻挫(むちうち)や腰椎捻挫のMRI画像を確認できることは後の事件終了までの見通しをより明確に立てることができるので非常に助かります。

 

  • 症状固定まで

 
 被害者は、リハビリを継続されましたが、くびや肩の痛みがきつかったこともあり、整形外科医院では被害者にトリガーポイント注射も数度実施されました。

 

  • 症状固定、後遺障害診断

 
 被害者は、約6ヶ月半で100日を超える通院をされたのですが、結局、くびの痛み、肩や手の痛み、しびれ等は改善せず、症状固定となりました。

 
 後遺障害診断では、当法律事務所弁護士も被害者と医院に同行しました。
 弁護士が何点か確認したいところがあったためです。
 通院先の医院は非常に通院患者さんの多い病院で、主治医の先生も大変ご多忙でしたが、面談していただけました。

 

  • 後遺症(後遺障害)等級認定

 
 後遺障害等級認定の申し立ては、弁護士が代理して行いました。
 自賠責保険へ被害者請求をしました。

  本件は目立った神経学的所見はないというケースでした。

 しかし、当法律事務所弁護士は、事前にMRI画像を細かく検討しており、申請の際にはきちんと伝えていく努力をしました。

  また、先ほど、被害者が事故時に破れたジャンパーやジーンズの写真をとったと言いましたが、着ていた物が破損した写真は、通常、物損の交渉の際に必要なのであって、けがの損害(人身損害)に必要ないと思ってしまうものです。
 しかし、当法律事務所弁護士は、ジャンパーやジーンズが破れた部位に着目し、この写真を症状残存との関係でも主張していくべきと考え、後遺障害等級の申し立ての際にもこれらの写真を提出しました。また、すり傷を負った体の部位の写真もあわせて使っていきました。

 

  • 後遺障害等級認定の資料を自賠責保険会社に郵送して、結果がかえってくるまでの期間は?

 
 本件ではおよそ40日かかりました。

 

  • 後遺障害等級認定結果は

 
 頚椎捻挫後のくびの痛み、肩や手の痛み、しびれについて、症状経過、治療状況を勘案し、14級9号(局部に神経症状の残存)が認定されました。
 本件被害者のケースでは、くびの関係(肩や手も含めてです)の症状の認定が勝負どころでしたので、何とか等級14級が認定されてひと安心です。
 また、この14級認定の通知が来て一両日中に自賠責保険会社から75万円の入金がありました。

 

  • 最終の示談交渉

 
 その後、当法律事務所弁護士は、追加の請求を相手方任意保険会社に対して行いました。
 相手方側からの回答金額は、先手で行った被害者側からの請求金額とはかなりかけ離れたものでした。そこで、被害者ご本人と相談し、ご意向をお聞きした結果、これ以上の任意の示談交渉については控え、交通事故紛争処理センターへ申し立てを行い、センターで主張をすることにしました。
 交通事故紛争処理センターは1回の出頭で終了しました。
 結果、既に支払い済みのものを除き、最終で185万円の支払いを受ける合意ができました。

  休業損害の4万円、14級認定による自賠責保険からの75万円もあわせて、治療関係費を除き、264万円の支払いを受けたことになります(千円以下省略しております。)。

 

  • ひとこと

 
 本ケースは、最初から最後までずっとスムーズに進んだわけではなく、途中でいくつも難しい場面がありました。
 しかし、弁護士が、被害者の方ときちんとしたコミュニケーションをとることで、無事に解決に至りました。