10代女性 顔の傷 外貌醜状後遺障害7級 2351万円で解決した事例
当事者、交通事故発生状況
被害者(10代女性・学生)は自転車に乗っていたところ、四輪車に衝突され、自転車もろとも飛ばされるという交通事故に遭いました。
被害者は病院に救急搬送されました。
被害者は、後に警察に呼ばれて話をすることになったのですが、被害者が事故直前に通っていた道が、四輪車側が警察に伝えていたものと違うことが判明しました。
そこで、被害者側が警察と、近隣施設の防犯カメラを確認することになり、結果、被害者の言い分が正しいことがわかり、再度実況見分が行われることになったという経緯もありました。
受傷状況
被害者は手に骨折をしたほか(この点は結局ほぼ治癒に至りました。)、
多くの部位の打撲により整形外科への通院をされましたが、思うように通院ができませんでした。
また、被害者は、衝突時に左の顔を強打し、顔面擦過傷の診断を受け、形成外科にも通院することになりました(傷は多の部位にもありましたがここでは省略いたします。)。
被害者は、形成外科にはほぼ月1回程度通院され、外用薬としてぬり薬が処方され、内服薬(飲み薬)も処方されました。
しかし、被害者の左ほほには醜状瘢痕・色素沈着が残りました。
当法律事務所弁護士相談前の状況
相手保険会社との話の窓口になっていたのは被害者のお母様でした。
しかし、相手方保険会社担当の説明がよくわからず、お母様も何をどうすればいいかわからずに困っていました。
たとえば、お母様は、相手方保険会社担当から、
そろそろ症状固定
後遺症(後遺障害)認定
ということばを聞いたのですが、その意味するところがわからなかったのです。
被害者側は、相手方保険会社から治療の終了を求められ、あと十数日で症状固定という状況にありました。
そのような状況下、お母様は当法律事務所のホームページをごらんになり、
法律事務所弁護士の無料相談をご利用になりました。
当法律事務所弁護士による無料相談・受任
被害者のお母様から交通事故発生状況や治療状況をお聞きし、もうすぐ形成外科の症状固定となり、後遺症(後遺障害)診断を受け、後遺症(後遺障害)等級認定の申し立てを行うことになる点を細かく具体的に説明しました。
そのほか、相手保険会社担当の言っていたことでわからなかったことについても可能な限り説明をしました。
被害者の方には、顔に醜状が残っていますので、形成外科で外貌(がいぼう)醜状の後遺症(後遺障害)診断書を記載してもらう必要があることも伝えました。
当法律事務所弁護士がご依頼をお受けすることになりました。ご依頼時には被害者ご本人様にも同席いただきました。被害者はこの交通事故後ずっと大変辛い思いをし続けていました。
弁護士受任後
もう間もなく後遺症(後遺障害)診断という時期でしたので、弁護士はいそいで診断書等資料を確認し、形成外科で外貌醜状の後遺症(後遺障害)診断を受ける際のポイントを被害者・ご家族にアドバイスをしました。
どのような傷あと(瘢痕、色素沈着、組織陥没など)がどの程度の大きさや長さがあるのかを、主治医の先生に測定してもらい、数値を記入してもらうことが重要になります。
その際、顔の図の記載も必要なのですが、本件では、ご家族の方に被害者の顔写真(受傷部分が写っているもの)を撮影してもらい、その写真を後遺症(後遺障害)診断書に添付してもらうことになりました。
【 本ケースの後遺障害診断書の記載内容 】
(外貌醜状に関係のある記載のみにとどめます)
傷病名:左顔面外傷性色素沈着
自覚症状:左顔面頬部分の醜状瘢痕・色素沈着
他覚症状:(事故態様の記載、病院に救急搬送された旨の記載)
〇年〇月〇日当科紹介受診した
左頬擦過傷
以降月1回程度外来にて、内服外用継続
左顔面頬部に〇mm×〇mmの醜状瘢痕・色素沈着が残存する
障害内容の増悪・緩解の見通し欄:症状固定と判断する
(※上記の具体的数値は省略して○にしています。)
その後、当法律事務所弁護士が、相手自賠責保険会社宛てに、後遺症(後遺障害)等級認定の申し立てを行いました。
外貌醜状の後遺症(後遺障害)等級認定の問題がある場合、通常、自賠責損害調査事務所の面接が入ります。この面接には被害者、被害者のお母様のほか、当法律事務所弁護士も同行しました。
後遺症(後遺障害)等級認定結果
左顔頬の瘢痕については、面接調査の結果、人目につく程度以上のものと認められ、鶏卵大面以上と捉えられ、「外貌に著しい醜状を残すもの」として7級12号が認定されました。
これにより、自賠責保険会社から1051万円の支払いを受けました。
最終の損害賠償交渉(示談交渉)
最終の示談交渉も当法律事務所弁護士が代理して行いました。
既に相手自賠責保険会社から1051万円の支払いをうけていた分や、
相手任意保険会社から支払済みの治療費など除く追加請求分は被害者側がすることしました。
被害者は学生なので休業損害の発生はありませんでした。
しかし、後遺障害逸失利益については、賃金センサス男女計平均賃金の年収を主張し、就労までの待機期間を除き67歳までの労働能力喪失を主張しました。10代でまだ就労していない年齢ながらも、外貌醜状が残ったことで今後の対人関係に消極的になるなどで不利益が生じたりするおそれがあること、接客をすることが避けられない職業選択に制限が及んでしまうおそれがあり、労働能力に直接影響を及ぼすものであることも主張していきました(後遺障害慰謝料は、裁判基準で請求しました。)。
また、傷害慰謝料については、通院日数はそれほど多くありませんでしたが、骨折部分のシーネ固定をしていた期間があり、この点を考慮して損害金額を計算しました。
結果、相手任意保険会社からはそれまで支払い済みの金額を除く最終支払金額 1300万円 を受ける解決ができました。
相手自賠責保険支払金1051万円とあわせ、弁護士受任後、2351万円の支払いを受ける解決ができました。
このケースは、当法律事務所弁護士が受任して約4か月で解決に至った事案です。