有鈎骨骨折 尺骨神経障害 後遺障害12級13号 裁判和解で解決し弁護士加入後944万円の支払を受けた事例

(令和2年10月18日原稿作成)

はじめに

 

当法律事務所では、交通事故の被害にあいケガをして悩んでおられる方(ご家族も含みます。)、交通事故の被害にあったばかりでどうしたらいいか分からない方(ご家族も含みます。)などが、後々の交通事故損害賠償問題のために少しでも助けになるようにと、弁護士金田が解決したケースを載せています。

交通事故被害者がケガをされた状況や治療経過というのは、交通事故被害者が参考にしたいというご要望の多い部分です(弁護士金田がお客様からお聞きし、実感している部分です。)。

以下の、有鈎骨骨折を受傷した交通事故被害者も、当事務所の交通事故で有鈎骨骨折により後遺障害12級13号が認定されたケースをご覧になったことがきっかけで、当法律事務所の無料相談にお越しになり、裁判で正当な賠償が認められました。

ケガの状況や治療経過をお伝しようとなると、どうしても、医学用語を述べる必要が出てきますが、これに違和感を感じられる方がおられるかもしれません。

しかし、弁護士は、被害者本人から依頼を受けて、自賠責保険の後遺障害等級の問題を的確に処理していく法律上正当な権限があります。弁護士が、この後遺障害等級問題を処理していくうえで必要な医学的知識を身につけることは欠かせませんが、あくまで後遺障害等級問題の処理の限度でしか医学用語を使用しません。これを超えて弁護士が治療の領域に入ることはありません。

 

有鈎骨骨折

弁護士金田は過去に一度この骨折事案を取り扱っております

 

有鈎骨(ゆうこうこつ)とは、手首に近いてのひらのうち、くすり指・小指側にある骨で、てのひら側に突起があります。

有鈎骨を骨折した野球選手のことをちらほら聞くことがありますが、自転車で交通事故にあい、転倒したときに、このてのひらの突起が折れる可能性があります。

経過

 

被害者(男性会社員)は、自転車に乗り、信号のない、横断歩道上を渡ろうとしたところ、右から来たタクシーに衝突され、左側に転倒し、左手の有鈎骨骨折を受傷しました。
弁護士金田が以前にもご依頼をお受けした有鈎骨骨折のケースも被害者が自転車に乗っておられて四輪車に衝突され転倒した際に受傷されたものでした。

本件の被害者は、有鈎骨の突起部分が折れ、ズレが大きかったことから救急搬送先の病院で骨折の手術を受け、骨折部分にスクリューを入れることになりました。
手術後も左手くすり指と小指のしびれや感覚がにぶくなった状態が続き、主治医の先生とのご相談により、スクリューを体内から取り出すことになりましたが、それでも改善しませんでした。

 

被害者は勤務先も休み続け、今後どうなるのだろうと心配になり、当法律事務所の有鈎骨骨折の解決事例をご覧いただき、無料相談にお越しになりました。

 

弁護士金田がご依頼をお受けした後も、左手くすり指と小指のしびれや感覚がにぶくなった状態は改善せず(骨折部分の痛みもありました。)、症状固定となり、主治医の先生が作成された後遺障害診断書ほか資料を自賠責保険会社に提出し、後遺障害の申請をしました。

 

当初は後遺障害14級9号 異議申し立てで12級13号が認定

 

初回の後遺障害等級認定結果は、骨折部分の痛み、左手くすり指と小指のしびれや感覚がにぶくなった状態がいずれも14級9号(痛みやしびれた残った後遺障害のことです。)が認定されたにとどまりました。

被害者の症状はこの時でもかなりきつかったこともあり、ご相談のうえで、後遺障害等級の異議申立てをすることになりました。

 

初回の後遺障害等級結果が返ってきた後、弁護士金田は治療先病院のカルテ開示の申請をし、カルテの内容を確認しました。この中に、左手くすり指と小指のしびれなどの症状が後遺障害14級を超える評価となる可能性があるような記載がありましたので、この部分を異議申立てで提出しました。

また、被害者は当法律事務所の協力医のもとを受診され(これは症状固定後ですので、被害者の健康保険3割負担で受診されました。)、2つほど検査を受けられ、しびれなどに対する投薬処方も受けられました。

協力医のもとでは知覚検査が施行されましたが、弁護士金田も聞いたことがない検査でした(ただし、最近、京都市のある病院でこの検査が施行されていることがわかり、病院でそこそこ行われている検査なのだと実感しました。)。この検査で知覚障害が顕著に出ました。

これらの検査結果と、さらに別の協力医の先生にも意見書をご作成いただき、これらも提出し、後遺障害等級異議申し立てをしました。

 

異議申し立ての結果、左手くすり指と小指のしびれや感覚がにぶくなった状態については、提出したカルテの内容から、本件事故に伴って症状が現れ、左尺骨神経麻痺をきたしたものと評価されました。そして、追加で実施された検査結果もふまえ、後遺障害12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)が認定され、等級が上位変更となりました。

骨折部分の痛みについては、骨折部分の骨癒合(こつゆごう)が良好であったことから後遺障害14級のままの認定でした。

 

損害賠償問題は裁判で解決しました

 

後遺障害12級が認定された後、相手方任意保険会社と最終の示談交渉をしましたが、金額に開きが大きく、まとまる見込みはありませんでした。
被害者の方とご相談のうえ、裁判(=訴訟)手続で解決する方向になりました。

裁判では、相手がこちらに 720万円を 支払う旨の和解案が裁判所から出され、こちらも相手も合意し、終了しました。

 

内訳の詳細

 

傷害慰謝料    被害者からは裁判で196万円の請求をし、裁判所からの和解案でも全額認定していただけました。

後遺障害慰謝料  被害者からは裁判で280万円の請求をし、裁判所からの和解案でも全額認定していただけました。

 

後遺障害逸失利益 
 
●年収は414万円(千円以下省略しています。)の主張をし、これも和解案ではこの年収を前提に計算されました。

 

●労働能力喪失率は、被害者の主張どおり14%を前提に計算されました。

 

●労働能力喪失期間は、15年(ライプニッツ係数10.3796)を前提に計算されました。

被害者は、67歳まで(15年よりも長くなります。)の労働能力喪失を主張しました。ただ、有鈎骨骨折部の骨癒合に変形や不整がなく良好だったこと、初回の後遺障害等級申請後に、尺骨神経の神経伝導検査という検査が実施されたのですが、振幅の低下も伝導速度の低下もいずれも左右差がなかったことなどで、裁判官は15年を超える労働能力喪失の認定をためらったと弁護士金田は考え、被害者とご相談のうえ、この和解案に応じることになりました。

骨折部の骨癒合が良好で、神経伝導検査も異常がなければ、神経症状後遺障害12級13号の労働能力喪失期間は10年にとどまる認定も十分に考えられます。

しかし、本件被害者は、症状固定後も自らの費用負担によりリハビリ先の整形外科医院へ引き続き通院リハビリを継続されていましたが、それでも症状は改善せず、事故前に比べ仕事上パフォーマンスが低下しており、これらがカルテに記載されていました。弁護士金田は、症状固定までの症状経過に加え、このカルテ上の内容を裁判で細かく主張しました。裁判官は、仕事上のパフォーマンス低下、治療中だけでなく症状固定後の症状(和解案が出た時点で事故から3年余りが経過していました。)も改善していないことなどに着目され、15年の提案を出されました。

※交通事故後遺障害認定において神経障害の判断に行われる神経伝導検査の重要性については、ご希望があればご相談にお越しになった際に説明いたします。

過失割合 

被害者側にはどうしても避けられない過失の増率要素があったため、被害者15%、相手方85%の和解案が出されました。

 

最後に

裁判で認められた720万円以外に、被害者は、後遺障害12級が認定されたことで自賠責保険から 224万円 の支払いを受けておられますので、弁護士金田が受任後、被害者は 944万円 の支払を受けることができました。

弁護士費用特約があるケースであり、弁護士費用は実費も含めて全てこの特約でまかなわれることになりましたので、被害者の持ち出しによる弁護士費用の支払いはゼロでした。

さらに、弁護士金田受任前に、被害者は総額110万円ほどの休業損害の支払を受けておられましたので、医療機関に支払われる治療費以外に、1000万円を超える賠償を受けとられたことになります。

本件でも最終解決までいくつかの波を越えていかなければなりませんでしたが、被害者の方とご相談し、あきらめずにできることを尽くして最終解決に至りました。

当法律事務所の他の解決事例もごらんいただけば、弁護士金田が交通事故で骨折を受傷したケースの後遺障害等級案件をたくさん取り扱ってきたことがおわかりいただけると思います。

交通事故で骨折を受傷された被害者の方は、ぜひ、当法律事務所にお問い合わせいただければと思います。当法律事務所にご依頼いただかなくても、交通事故損害賠償問題解決のために必要なことを一つでも身につけていただきたいというのが弁護士金田の思いです。