バイクの死亡事故について弁護士が解説
(令和8年4月1日原稿作成)
バイク事故の特徴と死亡事故
バイクは四輪車とちがい、「箱の中」で運転するのではありません。
ですので、バイクの運転者が四輪車などとの事故にあった場合、相手方車に自分の体を直接衝突されたり、事故により転倒すると、生身の体を、直接、地面にぶつけることになります。
生身の体が、直接、打撃を受けるので、「箱の中」よりも体に受けるダメージが大きくなり、重傷を負ったり、生命に危険が及ぶ可能性が高くなります。
バイクに乗っていて交通事故にあうと、死亡率は高くなるということがいえます。
また、四輪車のヘッドライトは2つですが、バイクのヘッドライトは1つということもあり、夜間のバイクは見落としやすく、他の四輪車のヘッドライトにまぎれてバイクのヘッドライトを見落とすおそれもあり、夜間は四輪車がバイクに衝突する危険性が高まるといえます。
バイクの死亡事故とは
当法律事務所がご相談、ご依頼を受けた中で、目につくバイクの死亡事故類型は、
交差点での、バイク直進、対向車線から四輪車右折の交通事故
です。
この事故類型は命が助かっても重傷を負う可能性が高いです。
そのほか、以下のような事故態様を例として挙げておきます。
・走行中に後方から追突され、バイク運転者が転倒して死亡した
・国道で走行中、大型車に接触されたバイク運転者が転倒して死亡した
・信号のない十字路で、優先道路を走行中のバイク運転者が、左から右折してきた四輪車に衝突され、転倒し、死亡した
バイクの後部に同乗していた方が死亡するという事故態様もあります。
死亡事故バイク被害者のご家族(ご遺族)の方へ
不幸にもバイクに乗っていて死亡事故が発生した場合、そのご家族は、被害者の通夜、告別式、葬儀、忌明け法要を行うほか、以下の点に注意していただくことになります。
■警察や検察庁から呼ばれ、話を聞いたり、聞かれたことに対して回答する
(できるだけ早い段階でご遺族が事故状況を把握できるかどうか)
■加害者の刑事手続について(正式な刑事裁判となり、被害者参加制度の利用申し出をするかどうか)
■加害者側に対する損害賠償請求(民事問題)
警察や検察庁と話をすること
この原稿を書いている時点でもバイクにドライブレコーダーが搭載されているケースはほとんどないというのが実情です。
そうすると、バイクに乗っていた方が死亡する事故が発生した場合、被害者のご遺族は事故状況のことが全くわからない状態からスタートする… ということになります。
事故後すぐに加害者側関係者が連絡してきて事故状況のことを話したとしても、正しくご遺族に伝わるとは限りません。
しかし、被害者自身もいないので、味方に事故のことを把握している方もいません。
したがって、ご遺族が警察から呼ばれたときに、事故状況を聞くことがまず第一歩かと思われます。
しかし、ご遺族も、警察からの話を落ち着いて聞ける精神状態ではないと思いますし、警察も捜査中においての話であるため、細部にわたる話まではしないと思われます。
警察から事故状況についてひと通りの話を聞いたら、交通事故死亡事故案件にくわしい弁護士の無料相談を受け、ポイントになる点の説明を受けた方がよいと思います。
もちろん、警察から話を聞く前の段階で弁護士の相談を受けておくと役に立つこともあると思います。
なぜ事故状況をできるだけ早く把握する必要があるのか
被害者側に過失があるかないか、あると見込まれるとしてその割合がどれくらいになるかの見通しを立てるためには事故状況を把握する必要があるからです。
死亡事故の損害賠償金は高額になることが見込まれますが、過失が1割違うと支払われる賠償金額もかなりかわってくるからです。
事故状況を明らかにする証拠
・加害者四輪車にドライブレコーダーが搭載されていたり、そうでなくでもすぐ後ろを走っていた車両にドライブレコーダーが搭載されていて、この方が警察に映像を提供してくれるというケース
・ドライブレコーダーがなくても、事故状況が付近の防犯カメラの射程に入っているというケース
これらの映像により事故状況を明らかにできる可能性があります。
被害者側がドライブレコーダーの開示を受ける方法、タイミングについて、くわしくは、当法律事務所にお越しいただいての相談で説明いたします(一般的な質問はお受けつけいたしかねます。)。
加害者の刑事手続について
大きくわけると以下のとおりです。
■正式裁判(刑事裁判)
■略式裁判
■不起訴(ふきそ:加害者に刑事処分はしないという意味です)
被害者参加制度とは
交通死亡事故の正式裁判(刑事裁判)は、被害者参加制度対象事件になります。
被害者参加制度とは
以前の刑事裁判では、検察官、被告人、弁護人、裁判官だけで行われ、被害者の参加は認められていませんでした。しかし、これでは刑事手続における犯罪被害者の権利保護が十分ではないという指摘があり、これを受けて創設された制度です。
参加の申し出ができる者
交通死亡事故事件でいえば、被害者のご遺族(具体的にどのような方が対象になるかはお越しいただいてご説明いたします。)、そのご遺族から依頼を受けた弁護士は、参加の申し出をすることができます。
「申し出ができる」とは
検察官を通じて参加の申し出をしますが、参加が認められるかどうかは裁判所の許可によるという意味です。
被害者参加制度で行うことができること
- 公判期日に出席して法廷内に在席できる
- 検察官の権限行使に関し意見を述べる
- (裁判所の許可により)情状証人に対し、情状に関する尋問を行う
※情状とは量刑の判断の際に考慮される事情のことです。
- (裁判所の許可により)被告人に対する質問を行う
- (裁判所の許可により)事実・法律の適用について意見陳述を行う
※被害者参加制度によるものではありませんが、心情に関する意見陳述を行うことはできます。
当法律事務所では、死亡事故民事損害賠償請求権のご依頼を受けたケースに限り、被害者参加制度の依頼については別途弁護士費用料金は頂戴しないことにしております。
加害者に対する損害賠償請求(民事問題)
被害者が死亡したことによる損害賠償問題、つまり、お金の支払いの問題があります。
損害賠償請求権は誰にあるか
加害者側は、加害者がかけている任意保険会社が対応することになると思われます。
被害者本人は亡くなっているので、その相続人が損害賠償請求権を持つということになります。
ただし、相続人ではないものの、その方に固有の損害賠償請求権があるというケースがあります。具体的には、亡くなった方に、配偶者や子のほかに、父または母(その両方とも)がいる場合です。
この場合、法律上、父母は、亡くなった方の相続人とはなりませんが、民法第711条は死亡被害者の父母には慰謝料請求権があると明記しています。
ご遺族のどなたに損害賠償請求権があるか、ご不明な場合、当法律事務所にご相談ください。
戸籍の取り寄せ
損賠賠償請求をする場合、ご自身が損害賠償請求できる権利があることを証明する必要があります。
つまり、ご自身が、亡くなった方の相続人であること又は、上記のとおり民法第711条で認められている慰謝料請求権者であることを証明する必要があるということです。
これを証明する資料として以下のものを取り寄せる必要があります。
- 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍
- 相続人ではないが、民法第711条で認められている慰謝料請求権者(被害者の父母のことです)については、被害者との親子関係が判明する戸籍(亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を取り寄せる過程で明らかになることがほとんどと思いますが)と、父母が存命であることを示す戸籍や住民票
民事損害賠償請求を弁護士に依頼した場合、弁護士が戸籍を取り寄せもいたします。
損害の内容について
※以下代表的なものを挙げておきます。
- 医療費
事故後病院に搬送されて間もなく死亡が確認された場合(いわゆる「即死」のケース)でも相当な医療費が発生します。
- 葬儀関係費用
- 死亡逸失利益
- 死亡慰謝料(被害者本人分と遺族固有分があります)
死亡逸失利益と死亡慰謝料が高額になることが見込まれます。
被害者側が取得することになる損害総額の中には自賠責保険が実質負担する分というものが含まれています。
法律上、自賠責保険は死亡部分損害について3000万円を上限として支払うことになっているということだけここではお伝えしておきます(無過失免責、重過失減額の規定はありますが。)。
もちろん、自賠責保険の基準よりも損害額が大きくなる場合は、加害者側任意保険会社に対し、損害賠償請求をする必要がありますし、そこでまとまらなければおそらく裁判で解決をはかることになります。
交通死亡事故は金田総合法律事務所にご相談ください
以下は金田総合法律事務所の解決事例です。
交通死亡事故の損害については、通常、後遺障害等級が問題となる損害よりも格段に早く損害が計算できることになります。
したがって、後遺障害関係損害よりもより早期に、以下の点について、より具体的な金額の計算をすることが可能になります。
- この死亡事故のケースをまず自賠責保険に請求すれば、おおよそいくらぐらい支払いを受ける見込みがあるか
- この死亡事故で、加害者側からいくらぐらい支払われる見込みがあるか
それだけでなく、損害賠償額の大きなウエイトを占める、
死亡逸失利益
死亡慰謝料
について、1円でもより多く賠償額を得るべき事情があるかどうかを細かく検討することが大事になってきます。
金田総合法律事務所では、たくさんの交通死亡事故損害賠償請求事件のご依頼を受け、細かい検討に努めてきました。
ご遺族の方におかれましては弊所にお問い合わせいただければと存じます。








