交通事故・高次脳機能障害 後遺障害等級が認定されないリスクを減らすための弁護士のアドバイス
高次脳機能障害の後遺障害等級は初回の申請が重要です!
交通事故で頭部を打ったとき、高次脳機能障害(もの忘れが発生する、怒りっぽくなる、注意力や集中力の低下、1つのことをすると他のことができなくなる、目標を立てて計画どおりものごとを行うことができなくなる など)が残る可能性があります。
高次脳機能障害が残り、自賠責保険の後遺障害等級が認定されるためには、いくつかのハードル(条件)があります。
高次脳機能障害は、重度の後遺障害ですので、この認定のハードル(条件)は高く、厳しいものです。
あくまで当法律事務所の経験上ですが、被害者がかかられた医療機関で、頭部を受傷した直後の必要な検査は行われていることがほとんどであるという印象を持っています
(ただし、他事務所においては異なる印象をお持ちかもしれませんが。)。そうすると、高次脳機能障害の後遺障害等級は、初回の申し立てが重要であるという考えに行きつきます(当法律事務所も基本的にはこの考えです。)。
初回できちんと手を尽くすことが重要であり、初回で結果が出なかった場合の異議申し立てはさらに厳しいハードルとなることを覚悟しなければならないと考えています(これも他事務所においては異なる考えをお持ちかもしれませんが。)。
交通事故・高次脳機能障害のケースで後遺障害等級が認定されないリスクを減らすために、高次脳機能障害案件を多数取り扱ってきた当法律事務所弁護士からアドバイスをいたします。
受傷直後からの意識障害の程度について
■意識障害の程度について
意識障害とは、被害者に呼びかけたり、痛みを感じるような刺激をしても目を開かない(=覚醒しない)状態だけを言うのではありません。
被害者が以下のような状態にある場合でも、程度の差はあれ、「意識障害がある状態」という評価になります。
●呼びかけ、痛みを感じるような刺激をすると目を開くが、やめると眠り込む
●目を開いているが、自分の名前、生年月日、今日の日付、今の時間、今いる場所がわからない
●だいたい意識清明であるが今ひとつはっきりしない、会話が混乱している
くわしいことは こちら をごらんください。
このような意識障害があるかないか、ありとしてそれがどのくらいの程度なのか については、当然、医療機関において確認し、評価されています。
しかし、被害者のご家族におかれましては、もし、受傷直後に被害者と入院先の病院で面会が可能であれば(コロナ禍の影響で面会制限をしている病院はとても多いですが。)、被害者が目を開いていて発語できる状態であれば、被害者に対して、自分の名前、生年月日、今日の日付、今の時間、今いる場所を聞いてみたり、被害者の会話が混乱していないか、被害者につじつまが合わない会話がないかなどを確認していただければと思います。
もし、何かおかしなことがあれば、医師の先生にご相談いただき、医療機関側の認識とズレがないかを確認しておくことも重要だと思います。
■意識障害の程度の評価方法
意識障害の程度を評価する方法として、JCSとGCSという評価方法が用いられています。
■意識障害がどれくらい続いたのか
程度の大小はあれ、意識障害があった場合、自賠責保険は、これがどの程度続いていたのか も後遺障害等級審査の際の判断材料にしていると感じています。
■交通事故で受傷したが、意識障害は全くなかった場合
交通事故直後から全く意識障害がない場合は、高次脳機能障害として後遺障害等級が認定されない方向にかたむくものと思われます。
ただし、当法律事務所がご依頼をお受けした事案で以下のような結果となったケースがあったことはお伝えしておきます。
交通事故 脳挫傷 意識障害なし 高次脳機能障害後遺障害9級 嗅覚障害12級認定事例
もっとも、このケースでは、事故からかなり経過してから実施された頭部MRI画像上でもわずかに脳挫傷の痕が認められたケースであり、実際にも、物忘れ、怒りっぽいという症状が事故後明らかに続いていたケースでした。
初診時に頭部外傷の診断があり、経過の診断書において、高次脳機能障害、脳挫傷、びまん性軸索損傷などといった診断がされていること
高次脳機能障害として後遺障害等級が認定されるには、当然のことですが医療機関で高次脳機能障害が残っているであろうことがうかがわれる病名の診断がされていることが必要になります。
高次脳機能障害、脳挫傷、びまん性軸索損傷、外傷性くも膜下出血、急性硬膜外血腫などの傷病名の確定診断がなされていることが必要になります。
交通事故で受傷した被害者又はそのご家族は、警察に人身の届出をするとき、かかっている病院から診断書の発行を受けることになりますが、この診断書に上記のような傷病名が記載されているかどうかが重要になります。
また、自賠責様式の診断書・診療報酬明細書(通常、毎月ごとに発行されます)の診断書に、上記の庄名傷病名が記載されているかどうかも重要になってきます。
これらの病名の記載が全くない場合、高次脳機能障害として後遺障害等級が認定されない方向に行くでしょう。
たとえば、頚椎捻挫の傷病名しかない場合には高次脳機能障害として後遺障害等級は認定されないでしょう。
病院の医師がこれらの傷病があると診断するには、CTやMRIといった画像検査を評価したり、患者(交通事故被害者)の様子を見て評価したりする過程をふまえるはずです。
ですので、
●頭部のCTやMRIといった画像検査で異常が認められるか
●被害者に意識障害や高次脳機能障害の症状が生じているか
ということも重要になってきます。
医療機関では、これらの事情を踏まえ、高次脳機能障害に関し、被害者へ神経心理学的検査の実施を検討していくものと思われます。
頭部のCTやMRIといった画像検査で異常が認められるか
交通事故で頭部を受傷して(救急搬送や独歩で)病院に行った場合、まずは頭部のCT検査が行われるものと思われます。
その後、担当医の先生の判断により頭部MRI検査の実施が検討されたりします。
これらの画像検査で異常が認められることがとても重要になります。
自賠責保険後遺障害等級の審査では、より画像上の異常が認められるかどうかを重視する傾向が年々強まっている と当法律事務所は感じでいます。
画像上の異常がなければ上記のような傷病名の診断もされないと思いますので(、このような場合、高次脳機能障害として後遺障害の認定はされない方向に傾くでしょう。
ただし、びまん性軸索損傷については画像検査でもはっきりしないケースがあり得ます。
被害者に意識障害があり、かつ、高次脳機能障害の症状が生じているか
意識障害についてはこのページの最初のところでお伝えしました。
同じくこのページの最初に述べた
もの忘れが発生する、怒りっぽくなる、注意力や集中力の低下、1つのことをすると他のことができなくなる、目標を立てて計画どおりものごとを行うことができなくなる
などといった症状が事故後から生じているかどうか も重要となります。
被害者のご家族におかれましては、これらの症状が、「みすごされやすい」ものであることにご注意いただく必要があります。
理由を以下述べます。
これらの症状は、被害者ご自身が自覚できないという特徴があります(=「病識がない」という表現もします。)。
そして、これらの症状は、事故前後の被害者の様子を比較して判断する必要があるのですが、医師や看護師などの医療従事者は、事故前の被害者の状態を知らないことがほとんどですので、症状が軽い場合にはわからないことがあり得ます。
症状がわからなければ必要な検査が実施されないことになりかねず、結果、高次脳機能障害の後遺障害が認定されないという結果が発生するおそれがあります。
このような「見すごし」を防ぐためには、被害者と同居するご家族が、事故前と比較して被害者の様子が変わっていないかどうかを確認し、メモしておき、必要であれば、主治医の先生に早めに相談するということが必要になってきます。
ご家族が被害者と入院中に面会できるのであれば、被害者と会話をし、物忘れがないか、会話のつじつまが合うかなどを観察したり、被害者の退院後も同居のご家族が、事故前と何か違う出来事があれば、それをメモしておくといったことをしておくべきです。
このようなメモをふまえ、最終的には「日常生活状況報告」という書式を作成し、後遺障害等級申請のときに提出します。
まとめ ~高次脳機能障害の問題は金田総合法律事務所にご相談を~
交通事故で頭部を打ち、高次脳機能障害が問題となるケースでは、上で述べたとおり被害者ご自身に病識がないために、被害者と同居しているご家族の活動が重要 になります。
しかし、ご家族も、交通事故の後遺障害の問題については「わからないことだらけ」の状態だと思います。
そのようなとき、交通事故の高次脳機能障害の取り扱い経験の多い弁護士であれば、高次脳機能障害の後遺障害が認定されるべきケースで認定されないというリスクを可能な限り防ぐための努力をすることが可能です。
金田総合法律事務所は、高次脳機能障害についても多数の取り扱い経験があります。
以下のページもごらんください。
交通事故 高次脳機能障害 自賠責保険5級、7級、9級の違いは?~当法律事務所弁護士の経験から~
ご家族が交通事故にあい、頭を打ち、高次脳機能障害の症状が出ているというケースは、ぜひ、金田総合法律事務所にご相談ください。








