③後遺障害(後遺症)等級認定結果がでたという段階

 自賠責後遺障害(後遺症)等級認定結果が返ってきた…

 

治療が終了して症状固定(=これ以上治療を続けても改善の見込みがない状態のことをいいます。)となり、医師の先生に後遺障害診断書を作成していただいた後、相手方任意保険会社に後遺障害診断書を渡すか(事前認定といいます。)、または、被害者側が相手方自賠責保険会社に対し後遺障害診断書を含む資料一式を提出するかの方法(被害者請求といいます。)により、後遺障害等級認定の申請をします。

 

申請したら、後遺障害等級認定結果が返ってきます。

 

以下、当法律事務所が受任したケースを2例紹介いたします。

 

1 納得がいく等級が認定されたケース

 

上記は、交通事故で、上腕骨近位端骨折という腕のうち肩付近の骨折をし、後遺障害診断で、右肩関節の可動域が、受傷していない左側に比べて2分の1以下に制限されたと診断されたケースです。

 

後遺障害等級審査の結果、自賠責保険は、後遺障害診断書の記載どおり、右肩関節の機能障害(可動域制限)として後遺障害10級10号に該当すると認定しました。

 

右肩の痛みが残ったことも、この後遺障害10級10号に含めた評価とされている点にも着目してください。

 

このケースは後遺障害10級10号が認定されることがポイントでしたので、想定された等級が認定されたといえるケースであり、納得のいく結果です。

 

なお、右肩付近(右上腕骨骨頭)の骨折が変形して治ゆしていると後遺障害診断書に記載されていた点ですが、上記認定結果に書いてあるとおり、もともと変形障害(後遺障害12級8号)に該当するほどの変形ではないことはわかっていましたので、変形障害が認定されなかったことは想定内といえるケースです。

 

 

想定された等級が認定されましたので、次は、最終の損害賠償金額の問題に入ることになります。

 

通常、まずは示談交渉から入ることになります。

 

 

当事務所では、少なくともこの時点までにご依頼をお受けした場合、示談交渉時に、被害者の方の損害額をくわしく検討し、相手方に請求することにしております。その後、相手方からの回答を待つということになります。

 

 

●示談で解決するケース

●交通事故紛争処理センターで解決するケース

●裁判で解決するケース

 

などがありますが、次の、
④ 加害者側保険会社から示談金額の提示が出たという段階
というページもごらんいただければと思います。

 

今の段階で、あなたに必要なアドバイスとは?

 

 

 2 等級認定結果に納得がいかない

 

 

この場合、ご希望に応じて、当事務所弁護士が、法律相談にて、等級認定結果が妥当なものかどうかを確認させていただきます。

等級認定結果が被害者に残った症状を十分ふまえたものではないと考えられる場合には、異議申立てをするかどうかをご相談させていただくことになります(資料がそろうかどうかという観点も重要になります。)。

→後遺障害等級結果に対する異議申立て

再度、損害保険料率算出機構が審査することになります。

→異議申立てをしても納得できない結論であった場合

この場合、再度、異議を申し立てるという方法もあります。
また、自賠責保険・共済紛争処理機構に不服を申し立てるという方法もあります。
自賠責保険・共済紛争処理機構でも納得がいかない結論であった場合には、あと、とりえる手段としては裁判(訴訟)です。

もちろん、自賠責保険・共済紛争処理機構に不服を申し立てずに裁判を利用するという流れもあり得ます。

 

くわしい流れは、当事務所にお越しいただいてのご相談になります。

 

異議申立てや自賠責保険・共済紛争処理機構への申立てについては、くわしくは、具体的事案を前提として、当事務所にお越しいただいてのご相談でご説明いたします。

 

以下のケースを紹介します。

 

■頚椎捻挫(むちうち)や腰椎捻挫の等級認定結果の見方

 

頚椎捻挫(むちうち)や腰椎捻挫で認定される可能性がある等級は、基本的には以下のとおりです。

・局部に神経症状を残すもの…後遺障害14級9号

・局部に頑固な神経症状を残すもの…後遺障害12級13号

 

 

上記認定結果のうち、黄色のマーカーの部分は、後遺障害12級13号に該当するかどうかを判断している箇所です。

上記認定結果のうち、ピンクのマーカの部分は後遺障害14級9号に該当するかどうかを判断している箇所です。

 

つまり、黄色マーカー部分は、本件は、後遺障害12級13号に該当しないと判断しており、ピンクマーカー部分は後遺障害14級9号にも該当しないと判断しています。よって、本件が後遺障害非該当であると判断したものです。

 

 

後遺障害14級9号さえ否定した「治療状況」の意味は?

これは、治療終了までの通院日数が少ない、事故から直後の通院頻度が少ない、通院間隔が空いている期間がある などの事情があるときに書かれることが多いキーワードといえます。

しかし、弁護士の目から見て通院状況に特に問題がないと思われるケースでも書かれ、後遺障害非該当と判断されたケースもあります。

 

 

このケースは以下の事情がありました。

 

●被害者は車に乗り停車していたところ、後方から追突されたのですが、被害車両後部はかなりへこんでおり、追突の衝撃が強いことは明白でした。

 

●通院期間185日で通院実日数は92日でした。この通院状況であれば、通院頻度が少ないとはいえません。

 

●事故直後に撮られた頚椎MRI画像上、C5/6(7つある首の骨のうち上から5番目と6番目の間の椎間板のことです)がはっきりと後方に膨隆していました。つまり、頚部の痛みを説明し得る画像があるということになります。

 

そうすると、初回の等級認定結果は、不当であると考えることになります。

 

本件も、自賠責保険に対し、後遺障害等級結果に対し、異議申し立てをしました。

 

異議申し立ての際にはさらに資料をつけましたが、ここでは説明を省きます。

 

異議申し立ての結果、頚部痛につき、後遺障害14級9号が認定されました。

 

 

 

 3 当法律事務所にお問い合わせください

 

このように、後遺障害等級認定結果には見方があります。交通事故後遺障害の問題に極めてくわしい弁護士の相談を受けることで、次の進め方がクリアになってきます。

 

後遺障害等級認定結果がきたけど、何が書いてあるのかいまひとつわからない という方は当法律事務所にお問い合わせください。