遷延性意識障害は弁護士に依頼すべきか? 慰謝料や弁護士のサポートについて解説

(令和8年6月28日原稿作成)

 

遷延性意識障害(せんえんせい意識障害)とは

 

交通事故などで頭部を強く打ち、脳に大きなダメージを受けて、以下の6つの項目が全てある状態が3ヶ月以上続いた場合、その人は、遷延性意識障害であると認定されます。

 

 

■自力で移動をすることができない

 

■自力で食事をとることができない

 

■尿、便を失禁してしまう状態にある

 

■意味のある発語をすることができない

 

■かんたんな命令(例 にぎった手を離す 等)に応じる以上のコミュニケーションはとれない

 

■眼球で物を追う程度で、認識はできない

 

 

 

 

 

被害者が遷延性意識障害の状態になってしまった場合に重要なこと

 

まず一つめです。

 

自力で動けない、他者と話のやりとりをすることができない状態に陥った方は、最後の加害者側(加入任意保険会社)との損害賠償問題に関し、交渉能力、合意文書の作成能力が、いずれも欠けているのでできません

 

※なお、被害者には極めて重い後遺障害が残っており、被害者の過失の有無・程度にもよりますが、高額の賠償金問題になることが見込まれます

 

 

したがって、被害者に成年後見人をつける必要があります。

 

 

 

 

次に2つめです。

 

遷延性意識障害の状態に陥った被害者は、寝たきりで起き上がることができませんので、被害者の日常生活には介護が必要になってきます。この介護をどのような形でどう具体的にしていくのか、どれくらいの介護費用を加害者側に請求することができるのかが重要な問題になってきます。

 

これとの関係で、病院での入院から円滑に介護に進むことができるかについても神経を使うべきことになります。

 

 

 

 

 

成年後見人の選任

 

成年後見人の選任は、家庭裁判所に申し立てる必要があります。家庭裁判所が審判を下すことにより成年後見人が決定されます。

 

被害者の同居のご家族は、家庭裁判所に申し立てる際、成年後見人の候補者として挙げておくことはできますが、必ず選任されるとは限らず、また、ご家族のほか、弁護士や司法書士も成年後見人に選任されることもあること(成年後見人が複数選任されるということです。)に注意が必要です。

 

 

 

 

 

 

「症状固定前」に弁護士に相談を ~弁護士に依頼するメリット~

 

症状固定とは、かんたんにいいますと、これ以上治療をしても医学的に改善の見込みがない状態に達した時期のことを言います。

 

 

先ほど申し上げました遷延性意識障害の6つの項目が全てあり、それが一定期間継続したとき、ご家族の方は、今後の被害者の治療についてどうなるのかを意識しておく必要がありますし、症状固定については主治医の先生と十分なお話をする必要があります。

 

 

これに加え、現在入院している病院にはいつまでも入院し続けることはできませんので、被害者の介護を、どこで、どのようしていくかを症状固定前から考えていかなければなりません。

 

 

ご家族の方は、被害者がしゃべることができなくなり、起き上がれなくなり、悲しみから抜け出せない状況だと思いますが、被害者の介護についてはご家族が動かなければならない事項です。

 

 

遷延性意識障害のケースは特に症状固定前から弁護士の相談を受けた方がいいでしょう。

 

 

被害者の病状がどうなのか、主治医の先生とはどのような話があるのかについて、早めに弁護士に共有し、個々の事案に応じた適切な進め方を相談した方がいいと考えております。

 

 

 

後で述べる被害者の将来に向けた介護費用に関し、弁護士なしで進めると、抜け落ちでしまう点が出てくるおそれがあり、十分・正当な賠償額を得られないおそれがでてきます。将来介護費用は金額のウエイトが大きくなる損害費目です。

 

 

 

ですので、早いめに弁護士に相談・依頼をし、この将来介護費用対策を早めに立て、金額に漏れがないようにしていくことが被害者・ご家族にとってもメリットになるでしょう。

 

 

 

 

 

 

介護の種類~施設介護と在宅介護~

 

介護には、施設で介護サービスを受ける施設介護と、自宅で介護する在宅介護の2種類があります。

 

 

どちらの方法で被害者を介護していくのかを早い段階から考えいく必要があります。

 

 

自宅介護なら、ご家族が介護する体制を整えること、職業付添人を依頼するかどうか、家屋の改造が必要かどうかということを考えていく必要があります。

 

 

 

 

 

症状固定となったら

 

主治医の先生に後遺障害診断書を作成していただき、後遺障害等級認定の申請をしていくことになります。

 

 

弁護士に依頼するメリット

 

症状固定前に弁護士に依頼していた場合、後遺障害診断書の内容をきちんと確認いたしますし、その他の必要資料をとりまとめ(ご家族に動いていただくものもあります。)、自賠責保険会社に対して後遺障害等級の申請の代理も弁護士がします。

 

 

 

 

遷延性意識障害の後遺障害等級

 

上で述べた6つの項目が全てあてはまるケースですので、

 

神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの別表第一 後遺障害第1級1号)に該当します。

 

 

自賠責保険に対し被害者から請求し、別表第一 後遺障害第1級1号が認定された場合、自賠責保険金(ただし、上限は4000万円です。)が支払われます。

 

 

 

 

 

遷延性意識障害の示談交渉、訴訟(裁判)

 

遷延性意識障害で問題になる損害費目として以下のものを挙げておきます。

 

治療費

入院雑費

交通費

(※ 上記で将来発生する費用を請求しなければならない可能性がある点にご注意ください。)

付添看護費

将来介護費用

(在宅介護の場合)家屋改造費など

(労働収入がある場合や家事従事者の場合)休業損害、後遺障害逸失利益

慰謝料(症状固定までの入院に関するもの、後遺障害の慰謝料、近親者固有の慰謝料が問題になります)

 

上記のとおり、かなり多くの損害費目があり、算定が難しい損害費目もありますので、請求に漏れをなくすという点で弁護士に依頼するメリットがあります。

 

 

当法律事務所の取り扱い事例

 

以下をごらんください。

 

遷延性意識障害後の死亡 後遺障害1級の慰謝料が認定

 

遷延性意識障害でお困りの被害者のご家族は当法律事務所にご相談ください

 

遷延性意識障害に陥った被害者のご家族は上記のようにたくさんしなければならないことがあります。ご家族の負担は大変なものですので、この負担を軽減し、正当な賠償金を得るためには早期に弁護士の相談を受けることが重要といえます。

ぜひ当事務所にご相談ください。