高次脳機能障害と後遺症(後遺障害)

 交通事故に遭い、けがをし、その治療の行く末は、賠償実務上、治癒(ちゆ)か症状固定のうちいずれかになります。最大の目標は、治癒して事故前の元どおりの体になることですが、すべてのケースが治癒になるわけではありません。

 高次脳機能障害でも症状固定となり後遺症(後遺障害)が残れば、それに見合った等級が認定され、残存した症状に見合った賠償がなされる必要がありますが、
そのためには、幾つもの受けるべき検査を受けておくなど、やらなければいけない対応がたくさんあります。

 その中でも、少なくとも以下に指摘することは必要であるといえます
 (以下のものだけで十分というわけではありません。)。

  1. 医師により、脳挫傷、びまん性軸索損傷、びまん性脳損傷、外傷性くも膜下出血、急性硬膜下血腫等の診断がなされていること。
  2. 交通事故直後にCTやMRI(レントゲンも必要です)などの画像により、
    上記1の傷病の診断が確認されること。

    CTやMRIなどの画像を交通事故直後から撮影することは不可欠であると考えてください。
    高次脳機能障害として後遺症(後遺障害)の等級が認定された結果の書面を見ていると、一定期間経過後に撮影した画像と事故当初に撮影した画像とを比較して、脳室拡大・脳萎縮が認められることも重要といえます。

  3. 事故からの意識障害が少なくとも6時間以上継続していることが確認できるか、又は、健忘若しくは軽度意識障害が少なくとも1週間以上継続していることが確認できること。

    意識障害、健忘若しくは軽度意識障害があるかどうかの判断は、JCSやGCSによる測定をすることになります。

 以上を見ても、事故直後から気をつけなければならないことがたくさんあることがわかります。
 そうである以上、早期に弁護士による相談を受ける必要があるといえます。

 

高次脳機能障害に関する解決事例