子どもが交通事故でケガをした場合、親が対応すべきこと 交通事故にくわしい弁護士が解説

(令和8年10月8日原稿作成)

 

 

幼児、小学生、中学生、高校生、大学生のお子様がおられる親御様にお伝えいたします。

子どもが交通事故の被害にあい、ケガをした場合、何をどのようにしたらいいのかをここでお伝えいたします。

 

 

まず大事なこと

 

まずは子どもの生命、身体を第一に考えてください。安全を確保するための行動が大切です。

 

生命に危険がないケガであれば、できるだけ交通事故前の体にもどるために治療を続けることを意識してください。

 

治療を続けても何か体の不具合や痛みなどが残る見込みとなる場合には、受けた被害に見合った賠償を加害者側から受ける必要があります。したがって、治療と同時並行してこの点も意識していくべきです。

 

 

 

警察には連絡がなされているでしょうか

 

道路交通法第72条には、交通事故にかかわる運転者は、直ちに警察に対して交通事故のことを知らせなければならないと書かれています。

 

ですので、警察に連絡がなされているかどうかについては、すぐ確認しなければなりません。

 

加害者に治療費を支払ってもらったり、慰謝料など損害賠償請求をするためには、交通事故が発生した事実も被害者側が立証しなければならないとお考えください。

 

 

警察が現場に到着し、交通事故であることを確認すれば、後に交通事故証明書が発行されます。

 

交通事故証明書の意味 を以下いくつかあげておきます。

 

  • 交通事故証明書は、「何年何月何日にどこどこで、誰々が運転する乗り物と誰々が運転する乗り物(もちろん、乗り物に乗っていない歩行の場合もあります。)の間で交通事故が発生した」ことを公的に証明してくれるという点で重要な立証のための資料です

 

  • 健康保険を利用して入通院治療をする場合、健康保険組合や国民健康保険などの保険者に対し、交通事故証明書の原本(ただし、加害者側任意保険会社が交付する原本認証文言付きの写しでも可能です。)を提出する必要があります。

 

  • 自賠責保険に対し後遺障害等級認定の申請をする場合、交通事故証明書の原本(ただし、加害者側任意保険会社が交付する原本認証文言付きの写しでも可能です。)を提出する必要があります。

 

 

 

 

症状があり、ケガをしていれば、すぐに医療機関を受診してください

 

事故直後に救急車で病院に搬送されなかったとしても、子どもがケガをしていれば、すぐに医療機関(病院、医院、クリニックなどの医師免許を持った医師による医療行為を行っている施設)に行き、医師に診てもらってください。

 

 

■なぜすぐに医療機関に行かなければならないか?

 

事故後の初診が遅れれば遅れるほど、その症状や状態が交通事故によって起こったと認定されにくくなるからです。

 

 

■子どもの特徴

 

病院に行くこと自体嫌がる子どもも少なくありません。病院が嫌だ…、自分は大丈夫だ…と思っているゆえ、痛みがあっても親御様に言いたがらない子どもも少なくありません。

親御様としてはなかなか難しい点もあるかと思いますが、子どもによりそっていただき、何とか体の状態をより正確に把握し、医師に診てもらうようにしていただければと思います。

 

 

■診ていただく診療科でまず大事なこと

 

交通事故のケガは、外傷ですので、基本的には整形外科などの外科系で診ていただくことになります。

 

しかし、頭部を打った場合はまず脳神経外科を受診するべきと考えます。

 

あくまで脳神経外科医の判断ですが、頭部画像検査を受けていただき、頭蓋骨の骨折はないか、出血はないか、脳みそ(脳実質といいます)に損傷はないかなどを検査で確認していただいた方がいいでしょう。

 

頭部の受傷は命にかかわらなかったとしても、日常生活に大きな支障を生じるような後遺障害が残るおそれがあるため、緊急にきちんと診ていただく必要があります。

 

 

交通事故でケガをした子どもをどの診療科に連れていったらいいかわからなければ総合病院に行き、症状をきちんと説明して病院の指示にしたがっていただくことになるかと思われます。

ただ、総合病院では、事故当日に担当となる診療科医師が不在となっている場合もありますので、そのときには、翌日などに担当診療科に行っていただくことになると思います。

 

 

 

初診以降の治療について

 

受傷の程度が大きく、入院となった場合、担当医から親御様に対して病状の説明があると思いますので、親御様としてはここをしっかりお聞きいただく必要があります。

 

 

事故後入院となった場合、入院が不要な場合にくらべ、治療を続けても後遺障害が残る可能性が高くなります。このような場合、交通事故の後遺障害問題にくわしい弁護士の無料相談をお受けいただくことをおすすめいたします。

交通事故の後遺障害問題にくわしい弁護士であれば、ケガの部位、ケガの程度(骨折、脳挫傷など)により、残るおそれのある後遺障害の見通しをこの段階で立てることが可能です。

医師から説明を受ける前にご相談におこしいただければ、逆に医師に対してたずねたい事項の整理も可能になり、今後の「漏れ」を一つでも防ぐことが可能になります。

 

 

また、退院の目処が立ちそうな時期には(ケガの程度が大きい場合などには、リハビリ目的で他の病院に転院して入院を続けることになるケースもありますが)、親御様としては、今後の通院治療をどのようにしていくのかを医師の先生とご相談いただく必要があります。

 

退院間近になった段階でも、これから子どもの治療はどうなるんだろうという不安をかかえる親御様も多いものです。

この段階でも交通事故の後遺障害問題にくわしい弁護士であれば、ケガの部位、ケガの状態、その時点で存在している症状などをお聞きし、以降の治療の流れについてご説明をさせていただくことが可能ですし、親御様の方から担当医へおたずねいただく必要がある場合にこれについてアドバイスをすることも可能です。

 

 

入院の必要がない場合でも、初診で痛みなど症状があれば、次回の診察を入れていただく方向で医師の先生に聞いていただくことが重要です。

もちろん、医師の先生から次回の診察について案内があるケースもありますし、痛みが残っていて病院では通院のリハビリテーションができないようであれば、近所の開業医に転院するという方向性が考えられます。この場合には、親御様としては、医師の先生に転院の紹介状作成をお願いいただくことになると思われます。

 

 

このようにして、痛みや悪い状態があるのに通院がストップしてしまう状態は避けなければなりません。

 

 

■痛みや悪い状態があるのに通院がストップしてしまうと不利益とは?

まず、通院を続けたら良くなったはずの症状が良くならなかったり、症状が残るという不利益が生じます。ここは親御様の対応が必要になるところです。

加害者側は受け取るべき損害の一つに傷害慰謝料というものがありますが、これは、基本的には通院の期間と日数をもとに算定していきます。

通院の必要がないのに通院をしてはいけませんが、通院の必要があったにもかかわらず通院ができていないとなると、本来受け取るべきであった傷害慰謝料の金額が減ってしまうという不利益がおこります。

最終的に症状や悪い状態が残った場合、通院の必要があったにもかかわらず通院ができていないとなると、本来認定されるべきであった後遺障害等級が認定されなくなるという不利益がおこり得ます。

 

 

 

 

子どもの症状や状態を病院に伝え、必要な検査が行われているかを確認すること

 

治療を続けても症状や悪い状態が残った場合、それに見合った損害賠償を受けることが重要になります。

ところが、子どもの症状や状態を担当医に伝えておかないと、そのような症状や状態はないものとして扱われます。

このようなことがないよう、親御様としては日頃から子どもの様子については注意深くなっていただきたいと思います。

子どもが実際には痛いのに痛いと言いたがらなかっても、何か対策を立てていく必要があります。

 

 

特にご注意いただきたいのは、頭部を打ち、意識障害があり、頭部画像で異常がみられる高次脳機能障害のケースです。

事故前にはなかった、 忘れっぽさ、怒りっぽくなった、退行、失敗したときにうまくいかない などの状態は見過ごされやすいうえ、病院側も事故前の子どもの状態を知らないので気づかず時が過ぎるという危険があります。

この点は、交通事故の高次脳機能障害にくわしい弁護士の関与が必要になると思われます。

 

また、必要な検査などが行われているかどうかについても注意していただく必要がありますが、この点は、交通事故の後遺障害問題にくわしい弁護士に聞かないとわからないと思われます。

 

 

 

 

入院・通院中の警察や加害者側任意保険会社との対応

 

 

■警察から事情をきかれるとき

 

診断書を警察に提出すると人身事故として扱われ、被害者も警察から事情を利かれ、調書が作成されることになります。

子どもは警察に対してきちんと自分の記憶にしたがってことを言うことができるとは限らず、場に流されやすい傾向があります。

親御様としては、警察から事情をきかれることになった日に親も同席できるかどうかを警察に確認した方がいいと思います。

そのうえで、事前に、お子様と事故のことを整理してみてください。

調書ですが、最後の警察の読み聞かせのときに、自分の記憶と違っている部分があれば訂正を求めることができますので、この点もご注意ください。

 

 

 

■加害者側任意保険会社に対して

 

まずはケガをした治療費の支払いを加害者側がしてくれるのかどうかを加害者側任意保険会社に確認する必要があります。

被害者側の窓口は親御様になると思われますので、まず、治療費のことはしっかり確認してください(親御様から動かなくても任意保険会社から電話がかかってくることも多いですが。)

 

加害者側が治療費を支払ってくれると言っても、病院によっては保険会社から直接お金を受け取らない方針のところもあります(入院ですらこのような対応をする病院もあります。)。このような場合、どうするのか任意保険会社と話をする必要がありますので、親御様はこの点にもご注意いただく必要があります。

 

 

任意保険会社が、入院が高額になることから治療には健康保険を使って欲しいと親御様に言ってくることがあります。

交通事故の治療に健康保険を使用するケースはあります。基本的には健康保険を利用する方向で考えていくことでいいとは思いますが、健康保険を使用した場合、リハビリテーションの期間制限があったり、診察は入院先の病院で継続するもリハビリテーションのみ開業医で行うことになるというケースの場合に開業医への治療費の支払いに関してややこしい問題があったり、保険者に「第三者行為による傷病届」を提出する必要があったり と注意しなければならない点がいくつかあります。

この点は、事前に交通事故の後遺障害問題にくわしい弁護士の相談をお受けいただくことをおすすめいたします。

 

 

事故の過失割合について親御様は加害者側任意保険会社と協議していく対応もあります。

明らかに子どもの過失がゼロというケースもありますが、加害者側が争ってきて過失ゼロを勝ち取らなければならないケースや、子どもの過失がゼロにならないケースでは、過失の有無、有りとしてその割合を保険会社と協議する必要があります。

子どもの過失に関して、「児童」(6歳以上13歳未満の者)は、事故状況によっては過失が減率になるケースがあり、「幼児」(6歳未満の者)はさらに事故状況によっては児童よりも減率される場合があります。

このようなケースがあり得るので、親御様はお早めに弁護士の相談をお受けいただく方がいいと思います。

 

過失の割合が増えると、得られる損害賠償金が減ります。(単純計算としてのべますが)もし、総額3000万円の損害のケースで過失が1割違うと300万円の差が出てきますので、過失の問題は慎重に扱っていただく必要があります。

 

 

 

子どもの付添看護費

自賠責保険では、

・入院の場合、原則として12歳以下の子どもに近親者等が付き添った場合に看護費が

・医師が看護の必要性を認めた場合や、12歳以下の子どもの通院等に近親者が付き添った場合には医師の証明を要せず通院等付添看護費が

認められる運用になっています。

13歳以上の場合でも、受傷の部位・程度、被害者の年齢等を考慮して付き添いの必要性が認められた場合に付添看護費が認められることがあります。

 

重度の脳損傷、上肢・下肢の骨折で体の自由がきかない状態、入院中の精神的安定をもたらすため(病院の看護師から付き添いの要請がある場合もあります。)などの場合には付添看護費が問題になりやすいことを覚えておいてください。

 

親御様としては入院中の付き添いの場合は、付き添い日などをしっかりメモをしておき、病院の駐車場を利用した場合には領収証を残しておくといったことが必要になります(領収証は通院の場合も同様に重要です。)。

 

付添費用に関しては最終示談で加害者側任意保険会社に請求することになるケースが多いと思われます。

 

付添看護費用の日額には一応の基準があります。

親御様が有職であり、休業して付き添われた場合、この基準額よりも休業損害の方が日額が高ければ、休業損害の方が認定されます(もちろん、付添の必要性が認められる必要がありますが。)。

ケガをした子どもについては、大学生でアルバイトをしていなければ休業損害は発生しませんが、親御様については付添費の名目で休業損害が問題になることもある点にはご注意ください。

賃金労働者は休業損害証明書という書式がありますので、これは加害者側任意保険会社に依頼し、送ってもらいます。

 

 

 

 

 

症状が残ったら後遺障害診断を

 

交通事故が原因で症状が続いている場合でも、加害者側任意保険会社が治療費の支払をずっと続けてくれるわけではありません。

これ以上治療を続けても症状が改善する見込みがないと医学的に考えられる状態となった時期(=症状固定時期)になれば、加害者側の治療費の支払いは終了になります(ただし、症状の部位・程度などにより症状固定後の治療費が損害として問題になる場合もありますが、これは個々のケースことに法律相談でご説明することになります。)。

 

では、加害者側が治療費の支払いをストップして終わりになるのでしょうか。

 

被害者に症状が残っていれば、自賠責保険でさだめられている後遺障害等級に該当するかどうかの申し立てをするかどうか考えていくことになります。

これをする方向で考えるのであれば、担当医に後遺障害診断書(決まりきった書式があります。)の作成をお願いすることになります。

 

 

なぜ、後遺障害等級のことが問題になるのかというと、後遺障害等級が認定された場合、最終の損賠賠償の話合いにおいて請求で居る損害費目が増え、かつ、この損害費目の金額的ウエイトは他の損害費目と比較して大きいといえるからです。

 

 

子どもは後遺障害のことをよくわかっていないでしょうし、自分に存在する症状や不都合な状態がこれからの日常や仕事にどう影響するのかもわかっていないと思われます(高校生や大学生であればそうともいえないかもしれませんが。)。

 

ですので、後遺障害診断をお願いする段階では、親御様の助力が不可欠といえます。

 

実際に存在する症状や不都合な状態が後遺障害診断書に記載されていなければ、それらの事項はないものとして扱われるおそれがあり、結果、本来認定されるべきであった後遺障害等級が認定されなくなるという不利益をこうむるおそれがあるからです。

 

症状や不都合な状態が残るケースではこの段階がかなり重要です。交通事故の後遺障害問題にくわしい弁護士のサポートを受けることは有用といえます。

 

 

 

 

 

納得の後遺障害等級が認定されたら最終示談へ

 

後遺障害等級が認定され、特に異議もなければ、最終示談の方向に入ることになろうかと思います。

 

後遺障害等級が認定された場合、基本的には以下の2つの損害が請求できることになります(例外もないわけではありませんが。)。

 

  • 後遺障害逸失利益
  • 後遺障害慰謝料

 

子どもに介護を要するような後遺障害等級が認定された場合、以下の費目も請求することを視野に入れていくことになろうかと思います(そのほかにまだ費目が発生する可能性はありますが。)。

 

  • 将来介護費

 

 

 

 

後遺障害逸失利益とは

後遺障害等級が認定された場合、残った後遺障害の程度に応じて、将来的に失われるであろう労働能力を(これも終期を考えていくことになり、痛みのみの場合には短い期間の認定になる可能性があります。)、パーセントで考え、これを、将来にではなく(定期金の賠償の問題はここでは省略いたします。)、今の賠償時に賠償するという損害費目になります。

 

子どもは若年ですので、重い後遺障害がのこれば長期間労働能力が失われた状態となることが見込まれ、損害が大きくなる方向に向かいます。

 

一方、子どもはまだ就労していないことがほとんどだと思われますので、就労までの待機期間は割り引かれることになり、この点はおとなのケースとの違いがあります。

 

そして、どれくらいの年収をもとに損害額を計算するべきかという点も重要になってきます。

 

これらの計算については、まさに弁護士の出番ということになります。

 

 

 

子どもが交通事故でケガをしたときに問題となる慰謝料とは

交通事故で問題となる慰謝料とは、こうむった精神的苦痛を金銭損害として加害者側請求するものですが、いくつかの種類があり、以下、例をあげます。

  • 傷害慰謝料(入通院慰謝料ともいいます)
  • 後遺障害慰謝料
  • 死亡慰謝料
  • 被害者の父母の慰謝料

 

 

このうち傷害慰謝料とは、入院や通院をしなければならなくなったことによる精神的苦痛を金銭に換算するというものです。

基本は入院と通院の日数、期間をもとに算定していきます。これについては算定表というものがあります。算定表にはおとなと子どもで表を分けたり違いを設けているわけではありません。

 

 

後遺障害慰謝料とは後遺障害等級が認定された場合、そのような後遺障害が残ったことによる精神的苦痛を金銭に換算するというものです。を認定された等級にしたがって目安となる金額が定められています。これもおとなと子どもで金額を分けたり違いを設けているわけではありません。

 

不幸にもお亡くなりになった場合に死亡慰謝料というものが問題になります。

これについても、一応の目安金額があり、おとなと子どもで目安となる金額に違いがあるというわけではありませんが、細かい事情などが考慮の対象になるかどうかで裁判で認められる金額にばらつきがでてくると考えています。

 

 

被害者の父母の慰謝料ですが、交通事故で子どもが亡くなった場合は、死亡慰謝料に含めてトータルの金額で考えることが多いです。

また、子どもが交通事故で命を落とした状態に匹敵するような重症を負った場合も、被害者の父母の慰謝料が問題になることがあります。子ども本人の慰謝料よりははるかに低額になると思われますが、それでも請求できる可能性があるということは知っておいていただきたいところです。

 

 

これらの慰謝料のくわしい点でお悩みなら、当法律事務所の無料相談でご説明いたします。

上記は基本的な考え方を示しましたが、実際、当法律事務所では慰謝料を少しでも増やせる事情がないかどうかについて、ことこまかい事情をお聞きしたいます。

 

 

 

 

 

子どもの交通事故と弁護士費用特約について

 

親御様が自動車保険を契約され、弁護士費用特約もつけておられる場合、子どもは「同居の親族」として弁護士費用特約の適用があると思われます。この点は契約されている損害保険会社にご確認ください。

 

また、ご自宅の火災保険をかけておられ、弁護士費用特約がついている場合がありますので、こちらも契約損害保険会社にご確認いただいた方がいいと思います。

 

 

 

子どもが入院をしなければならないような事故にあった場合、親御様としては、特に、「今後のこと」がご心配になると思います。その心配を少しでも解消していただくために、当法律事務所にご相談をいただければ幸いです。