交通事故の示談交渉を成功に導くための弁護士の役割と示談金増額のポイント

 

以下は、けがの人身損害の示談について述べたものであり、物損の示談についてはここでは省略させていただきます。

1 交通事故の示談交渉とは?弁護士が果たす重要な役割

 

■示談交渉とは  

交通事故でけがをした被害者が、治療費(加害者側任意保険会社が示談前に全額医療機関に支払っていることが多いといえますが)、入院雑費、通院交通費、休業損害 (示談前に加害者側任意保険会社が支払うケースもあります。)、入通院慰謝料、後遺障害等級が認定された場合の後遺障害関係の損害(後遺障害逸失利益、後遺障害慰謝料) といった費目の各金額について、加害者側(任意保険会社)と話し合いをして決めていくことをいいます。

※重度後遺障害の場合には将来介護費用などの費目が、被害者死亡事故の場合には葬儀費用、死亡逸失利益、死亡慰謝料、父母・配偶者・子の慰謝料などの費目の金額に ついても話し合いをしていくべきことになります。

 

 

■示談交渉はどうしたら成立するのか

加害者側(通常は任意保険会社)と被害者側が示談交渉をし、話し合いをして、支払総額で合意ができれば示談が成立になります。

 

 

■示談交渉に「ルール」はあるのか? ~被害者がはまる落とし穴~

加害者側任意保険会社が自賠責保険基準を下回る金額は提示できないという「しばり」はあります。

しかし、このしばりをクリアすれば、いくらで示談をしても双方が合意すればそれで適法に成立します。

法律は判例にてらして適切とはいいがたい低い金額でも、「しばり」 をクリアしていれば、加害者の提案に被害者が「イエス」といえば、示談が成立してしまうおそれがあります。

 

 

■交通事故示談交渉における弁護士の役割と重要性

示談交渉は法律上、被害者本人か、被害者から依頼を受けた弁護士か(ただし、140万円以下の案件につき認定司法書士に代理権があります。)しか示談交渉はできません(加害者側は、保険会社又は依頼を受けた弁護士が示談交渉をすることが多いです。)。

 

自賠責基準を下回らない金額であれば、いくらで示談を成立させてもいいわけですので、加害者任意保険会社はできるだけ低い金額で示談を成立させようとします。

 

加害者側任意保険会社は、数多くの交渉経験を持っており、バックには顧問弁護士がついていますので、法的武装もあり、判例の知識も十分と思っておいた方がいいです。

 

被害者本人は、法律知識にとぼしく、判例も知らないというケースがほとんどだと思います。

 

そうすると、被害者本人が示談交渉をしても、保険会社の交渉力に負けて、不当に低い金額で示談をしてしまうおそれが出てきます。

 

しかし、交通事故のけがの損害賠償にくわしい弁護士に相談したり、依頼をしたりすると、このような事態を避けることができるといえます(相手保険会社からの提示 金額が妥当であれば弁護士の相談で終了することになるでしょう。)。

 

しかも、保険会社は、被害者が弁護士に依頼していなければここまでしか出せないと、弁護士に依頼していない場合には支払金額を低くおさえるケースが多いといえます (もちろん、落とし穴のあるケースもありますが。)。

 

交通事故のけがの示談交渉において、弁護士の果たす役割は、このように大きく、重要です。

 

 

■弁護士が関与することで得られる具体的な利点

 

弁護士に依頼すると弁護士が代理して示談交渉を行ってくれるという利点があります。

 

弁護士が代理して示談交渉を行うと、被害者が支払いを受ける示談金(損害賠償金)の増額が見込めます(ただし、全てのケースで増額が見込めるわけで はありません。この場合は無料相談の段階で弁護士に依頼するメリットに乏しいことをちゃんとお伝えいたします。)。

さらに、もし裁判になり、判決が下った場合、遅延損害金の支払いをうけられますが、多くの場合、裁判になれば弁護士に依頼されると思いますので、この点についても 弁護士が関与することで得られる利点といえます。

 

 

 

2 示談金とは?弁護士が関与することで得られるメリット

 

■ 示談金とは?

示談が成立した場合に、加害者側(通常は任意保険会社でしょう)から被害者側に支払われるお金のことです。

 

 

■示談金の中身は?

上の「示談交渉とは」という欄に記載した休業損害や慰謝料などのことです。

後遺障害等級が認定されたら後遺障害逸失利益や後遺障害慰謝料などという損害費目も含まれることになりますが、これらの費目の金額のウエイトは大きくなります。

 

 

■示談金の計算方法

各任意保険会社は、それぞれ独自の基準によって計算した示談金額の提示をしてきます(任意保険基準)。

また、自賠責保険基準というものがあり、これは自賠責保険の支払基準にしたがって計算したものです。

任意保険会社は、この自賠責保険基準に近い金額を出してくることもあります。

 

これに対し、弁護士基準・裁判基準というものがあり、被害者側はこの弁護士基準・裁判基準により計算し、主張していくべきことになります。

 

 

■弁護士が介入することで示談金が増額される理由

上でも述べましたが、自賠責基準を下回らない金額であれば、被害者がOKすれば低い金額で示談を成立させてもいいので、 加害者任意保険会社はできるだけ低い金額で示談を成立させようとします。

 

しかし、被害者が弁護士に依頼し、交渉窓口が弁護士になれば、「低い金額」では被害者側は示談に応じないということになります。

 

この場合、被害者側も、加害者側任意保険会社も、「これが仮に裁判になった場合、どのような結論になり得るか」を想定しながら動くことになります。

 

そして、被害者が弁護士に依頼する前であれば、通常、法的知識の乏しい被害者本人が自分で裁判を申し立てることは「まれ」だといますが、 弁護士が依頼を受けていれば、被害者側が応じなければ裁判を申し立ててくることを加害者側任意保険会社は想定しなければならなくなります。

 

そうすると、加害者側任意保険会社としては、出した提案が裁判では低いと判断される可能性が高いと思っているなら、裁判を受けて立つことで 要するコストと時間を考えたうえで、さらなる増額に応じてくる可能性が高まるということになります。

この金額をどこまで上げることができる かどうかは弁護士の力量(もちろん、被害者ご本人の協力も必要ですが。)ということになるでしょう。

 

 

 

 

3 弁護士に依頼すべき理由:示談交渉をスムーズに進めるために 

 

■被害者自身で示談交渉を行う際のリスク

被害者ご自身は、通常、交通事故のけがの損害賠償の知識や法律の知識に乏しく、他方、加害者側任意保険会社の各担当は、毎日、たくさんの案件 を取り扱っており、両者の交渉力の差は歴然としています。

 

しかも、加害者側保険会社は、被害者が弁護士に依頼していなければここまでしか出せないと、弁護士に依頼していない場合には支払金額を低くおさえるケースが多いといえます。

 

このような状態では、加害者側保険会社のいいなりで示談を成立させるリスクがあるものと言わざるをえません。

 

しかも、このような交渉状況になれていない被害者が、心理的に負担を感じ、「金額よりも早く終わらせたい」と思ってしまい、負けてしまうというリスクもあります。

 

さらに、損害賠償や法律の知識に乏しければ、本来請求できるはずの損害をゼロのままで示談が成立してしまうというリスクもあります(加害者側 保険会社は、このような見えにくい損害費目のことは、被害者側に教えてくれないと思っておいた方がいいでしょう。)。

 

 

■弁護士に依頼することで得られるメリット

弁護士に依頼すれば、この件の被害者の方のケースは、仮に裁判になった場合にはどのくらいの損害賠償額が見込めるかを算定することができます。

 

ですので、弁護士には、加害者側損害保険会社の提示金額が低いかどうかはわかります。

 

提示金額が低ければ、正当・妥当な金額を求めて交渉にのぞみますので、弁護士に依頼すれば、増額解決となることが多いといます。

 

さらに、請求できるはずの項目がゼロになっていないかどうか、弁護士は気づくことができます。

 

また、被害者側の過失割合が不当に高い場合もありますが、このような場合には弁護士はこれに気づくことができます。

 

また、弁護士に依頼することにより、被害者は、心理的な負担を減らすことができ、安心することができます。

 

 

 

4 示談交渉の流れ:弁護士と一緒に進めるステップバイステップガイド

 

■事故状況に関する対応

被害者の側の過失の有無、過失がありそうとしてその割合、受傷の程度を裏付けるような事故の衝撃があるかどうか などが重要になってきます。

 

警察に報告ができているかどうか、人身の届け出ができているかどうか、ドライブレコーダーの映像があるか、交通事故現場に防犯カメラがありそうかどうか(ありそうであればすぐ警察にその旨連絡しておくこと)、どのような外力を体のどの部分に受けたか(これは、自家 用車内に自分の体のどの部分を打ったかも含めてです。)、自分の体にあざなどの表面上のきずがあるかどうか、などのようなことが重要です。

 

なぜこれらが重要なのか

事故状況について証拠が不足していれば、被害者側の過失がないのに過失ありということになったり、過失の割合が増えたりする結果となるおそれがあり、示談交渉の結果、受けるべき賠償金額が減るおそれがあるからです。

また、事故直後のケガの状況、状態をできるだけくわしく把握しておかないと、本来、そのケガが交通事故によって生じたものと認められなくなり、 示談交渉の結果、受けるべき賠償金額が減るおそれがあるからです。

しかも、これらは事故から間もない間に動かなければならない緊急事項です。

 

 

 

■治療中に関する対応

まず、自覚症状が初診の段階でもれなく伝えられているかが重要です。

 

それから、骨折をしていないが脊髄の損傷が疑われるケース、むちうちで12級目線で考えていかなければならないケース、 肩の腱板、手首のTFCC、靭帯(じんたい)など軟部組織の損傷が疑われるケースなどでは事故直後にMRI検査をしていただく必要があります。

 

治療を重ねてからも、症状や傷病名によっては実施した方がいい検査があります。

 

くびや腰などに痛みが続いている場合等には、きちんと通院を続ける必要があります。

 

なぜこれらが重要なのか

症状が伝わっておらず、必要な検査が実施されていなければ、本来、認められるはずの後遺障害等級が認定されないリスクを負います。

後遺障害関係損害は金額のウエイトが大きいので、認められるはずの後遺障害等級が認定されないと、こちらに有利な示談交渉を行うことができず、金額的に大きな損失を受けることになってしまうからです。

 

 

 

■症状が残り(症状固定となり)、後遺障害の問題になった時期の対応

適切は後遺障害等級が認定されるためには、担当医の先生により後遺障害診断書に必要なことが記入されている必要があります。

 

後遺障害診断書以外に自賠責保険に対して主張したいことがあり、その資料があるのであれば、これらも提出していく必要があります。

 

なぜこれらが重要なのか

後遺障害等級を審査する自賠責保険は、後遺障害診断書の記載内容を重要視します(弁護士金田の経験上、例外もありますが。)。

後遺障害診断書に必要なことが記入されていなければ、適切な等級が認定されなくなると覚悟しなければなりません。

また、自賠責保険の後遺障害等級審査は厳しくなっている傾向があります。

被害者に残った症状や体の状態を自賠責保険に理解して いただくためには、考え、工夫をしていく必要があります。 上でも述べたとおり、後遺障害関係損害の金額的ウエイトは大きいので、後遺障害が認定されなかったり、残った症状に比べ等級が 低かった場合には、大きな金銭の損失につながるからです。

 

 

 

■示談交渉時の対応

加害者側任意保険会社としては、自賠責保険の規定というしばりはありますが、できるだけ低い金額の支払いにとどめたいという スタンスで交渉にのぞみます。

ですので、加害者側任意保険会社からの提示金額をうのみにしないことが大切です。

民法という法律は、損賠賠償は金銭の額で定めるというスタンス(民法417条)になっていますので、加害者側が治療費を医療機関へ支払った後は、最終示談交渉(決裂したら裁判などの第三者機関による手続に移りますが)で話がまとまったた場合、被害者側としては、そのお金の支払いを受けて終了になります。

加害者側任意保険会社からの提示金額が低いのに、これに応じてしまったら、受けた損害に見合った賠償金を得られす、終了になります。

ですので、適正妥当な示談金の提示ではない場合、弁護士に相談するべきといえます。

 

 

■各ステップにおける弁護士の関与とその役割

弁護士は、交通事故直後から被害者に対しアドバイスを行うことができます(もっとも、実際にご依頼をお受けして相手との窓口に立つ タイミングはケースバイケースですが。)。

 

弁護士に依頼すると…

加害者側に対し、ドライブレコーダーの提供を求めていきます。

警察からまだ事情を聴かれていない場合には、これに対する重要点を被害者に対し説明します。

体にあざなどの表面上のきずがあるのであれば、すぐに写真に撮っておくよう被害者にアドバイスをします。

通勤中や業務中の事故ですと、(最初の段階になりますが)労災保険の使用についてご相談に乗ります。

受傷したけがの部位、けがの程度によって、通院している医療機関に不安はないかどうかを被害者に確認し、相談にのりますし、 早く実施していただいた方がいい検査、おいおい実施してもらった方がよい検査などを被害者にアドバイスをします。

適切な後遺障害等級の認定をめざして、後遺障害診断書の内容をチェックし、代理して申請をしますし、後遺障害申請の際には 工夫をこらします。

示談では、安易な妥協はせずに適正妥当な金額を求めて交渉していきます。

 

 

 

 

5 示談金の増額を目指すための具体的な方法 

示談金増額のために弁護士が取る具体的な方法については、以下、当法律事務所が実際に受任したケースをふまえて説明いたします。

 

■過失割合について当法律事務所が受任したケース1

被害者がバイクで右側車線を走行中、左側車線にいた四輪車が右側車線を横断して右折しようとして衝突したケースです。

被害者ご本人が、物損で、被害者10%、四輪車90%の割合による示談をしてしまいました。

その後も、被害者の休業損害の内払い(=最終示談前に 加害者側が一部先払いをすること)でも9割分しか支払わない状況でした。

そのような中、当法律事務所が受任し、けが の最終示談交渉において、すでに取り寄せていた刑事記録(本件はいずれにもドライブレコーダーの搭載はありませんでした。)を確認し、四輪車は事故直後、進行方向にほぼ横向きの状態で、かつ、被害者バイクの進路をさえぎる状態で停車 していたこと、四輪車が大回りの無謀な右折をしたこと、四輪車運転手は、右後方を確認していなかったこと、衝突まで バイクの存在に気づいていなかったこと、右折の合図は右折と同時のタイミングだったこと(このような合図の出し方では 合図をした意味はありません。)を主張し、人損では被害者過失ゼロで示談成立しました。

※ このケースは示談前に支払い済みの金額、未払い費目の請求も含めた総額が500万円(千円以下省略しております。) でしたので、もし、被害者の過失1割のまま人損を進めていたら、約50万円の損失が出るところでした。

 

 

■過失割合について当法律事務所が受任したケース2

被害者は、バイクにのり、信号のない十字路交差点を直進しようとしたら、左側から十字路を直進しようとした四輪車に衝突され、 転倒し、負傷しました。

十字路交差点には四輪車側に一時停止規制がありました。

相手方は、四輪車を一時停止したというような主張をしていました。

このケースは別冊判例タイムズ38号【169】図という図にあてはまり、四輪車の一時停止が認められたらバイク側の過失は35%となるおそれがでてきます。 もし、四輪車の一時停止が認められるとバイク側の過失は15%でとどまるケースです。

 

当法律事務所が受任し、まずは物損の交渉から進めていくことになりましたが、その際、相手方任意保険会社に対し、ドライブレコーダー映像の提供を求めました。

ドライブレコーダーの映像があるとのことで、提供を受け、内容を確認しました。

「一時停止」とは、法令の規定、警察官の命令、危険防止等のために停止することをいい、時間の長短は問いませんが、車両の車輪の回転が完全に止まることをいいます。

 

本件ドライブレコーダーの映像を見ると、衝突まで四輪車の車両の車輪の回転は完全に止まっていませんでした。 当法律事務所ではこの点を主張し、結果、物損ではバイク15%、四輪車85%の過失割合で示談が成立しました。

 

その後、けがは後遺障害14級9号が認定され、人損の示談交渉でもバイク15%、四輪車85%を前提とした損害額の示談が成立しました。

もし、バイクの過失が35%となったら、約118万円ほど損害賠償額が目減りする事案でした。

 

 

■後遺障害14級が認定され、示談交渉から当法律事務所が受任したケース

車同士の事故で受傷しが被害者は通院を継続するもくびの痛みなどが残り、後遺障害14級9号が認定されました。

その後、相手方保険会社から示談金の提示が出ましたが、低いと思われ、当法律事務所の無料相談にお越しになり、示談交渉を当法律事務所が受任することになりました。

 

相手方保険会社の示談金の提示は以下のとおりです。

■治療費        95万6569円

■通院交通費       5万3960円

■後遺障害診断書文書代       0円

■休業損害             0円

■通院慰謝料      76万2000円

■後遺障害保険金    75万0000円

→被害者の過失はゼロであり、既払分をのぞき、156万5960円の提案でした。

※後遺障害保険金という名目ですが、これは後遺障害逸失利益という費目と後遺障害慰謝料という費目を合算した金額のことです。 後遺障害14級が認定された場合、後遺障害逸失利益、後遺障害慰謝料をあわせて自賠責保険は75万円を負担します。つまり、上記の75万円は自賠責保険基準の金額しか提示していないことになります。

 

 

休業損害がゼロ回答だったのは、被害者が事故直前に勤務先を退職し、事故時には求職中であったことが理由でした(事故から4ヶ月弱で再就職はされましたが。)。

当法律事務所は、交通事故で受傷しなかったら再就職が早まったはずだという主張をし、再就職先に関する契約書(業務委託契約ではありましたが)、この契約に基づいて支給された報酬の支払いを証明す る資料、地裁の裁判例などを相手方任意保険会社に提出し、支払いを求めました。

 

結果、以下の内容で示談が成立しました。

■治療費        95万6569円

■通院交通費       5万3960円

■後遺障害診断書文書代    5000円

■休業損害       11万1060円

■通院慰謝料      88万4800円(仮に裁判になった場合には認定される可能性がある金額です)

■後遺障害逸失利益   56万9393円(労働能力喪失率5%、労働能力喪失期間5年の数字です)

■後遺障害慰謝料   110万0000円(裁判基準の金額です)

→既払い分をのぞき、 272万4213円 で示談成立になりました。

休業損害に関しては少し低いかもしれない金額ですが、被害者は裁判までは望まれませんでしたので(ゼロ回答から前進したこともありましたので。)、 上記の示談で合意することになりました。

 

弁護士加入前から約115万円増額アップしての解決になりました。

後遺障害14級のケースで115万円の差はとても大きいです。

 

上記の3つのケースからしても、弁護士が損害賠償の増額に果たす役割はとても大きなものであることはおわかりいただけると思います。

 

 

 

6 弁護士の選び方:交通事故案件に強い弁護士を見極めるポイント

 

■交通事故案件に強い弁護士とは

 

交通事故のけがの損害賠償問題には、ひととおりの事件処理知識があることを超えて、いろいろと考え、工夫をして弁護活動を行っていかなければならない分野です。

 

依頼者である被害者は、頼りない弁護士活動に気づくものです。

 

依頼した弁護士の弁護活動が頼りないと思われたら、その感覚は間違いではないと思っていいでしょう (もし、弁護活動に問題がなかったとしても、少なくとも依頼者への報告の仕方に問題があるものと思われますし、この点において依頼者の不安は当たっていると思います。)。

 

また、交通事故のけがの損害賠償問題は、いろいろと落とし穴的な問題が発生する可能性がある分野です。

この分野の知識と経験が十分でない弁護士が行い、良からぬ 事態になってしまう可能性もあります。

 

 

交通事故案件に強い弁護士というものは、交通事故のけがの損害賠償問題に関し、(その弁護士自身が)極めて多くの取り扱い経験を持っています。

 

後遺障害等級問題を検討するのに必要な医学的知識が深い弁護士は、交通事故案件にさらに強い弁護士といえると思います。

 

究極には、ほぼ交通事故問題しか取り扱っていない弁護士は、交通事故案件になおさら強い弁護士のはずです。

ほぼ交通事故問題しか取り扱っていなければ、おのずと 取り扱い経験は多いはずですし、そのようなスタンスではない弁護士と比べて日ごとに経験値が増えていく状況のはずですし、おのずと後遺障害等級に必要な医学的な 問題も研さんを積むことになりますし、数多くの取り扱いがあるゆえ、その経験を生かして依頼者とのコミュニケーションでもそのようなスタンスではない弁護士と比 べて素早い対応、反応をすることが自然と可能になってきます。

そもそも、加害者側保険会社各担当は、交通事故案件ばかり、たくさんの数を、毎日、取り扱っているのですから、被害者側の弁護士が相応の覚悟を持って取り組まなければならないのは当然に求められることと思います。

 

 

 

 

■弁護士の選び方のポイント

このような交通事故案件に強い弁護士を選ぶことは、示談交渉により適正妥当な賠償金を得る王道といえます。

 

選び方のポイント

被害者にとって弁護士選びの情報がなければ話になりませんので、弁護士から発信することがまず必要になります。

その発信情報(ホームページなど)をみて、いろんなけが(高次脳機能障害、骨折など)の取り扱い経験があり、他の弁護士と比べて交通事故分野にくわしいと思える 弁護士を選ぶべきと思います。

その中で、実際に電話や面談などで弁護士と話をして、

●不明な点については、ほぼ、すぐ答えてくれる

●しゃべっていても交通事故のけがの分野にびっくりするくらいくわしい

と思うような弁護士を選ばれるのがいいかと思います(これらの事項は、交通事故案件に強い弁護士であれば持ち合わせていなければならない要素だからです。)。

 

弁護士と一度でも電話や面談でしゃべったら、その弁護士に依頼しなければならないことはありません。

弁護士は依頼者が自由に選べます。

逆に言えば、弁護士選びは慎重になるべき ということになります。

特に、頭部を受傷したケースは大きな骨折をしたケースでは、弁護士選びに慎重になるべきです。

 

 

 

7 示談交渉を成功させるための弁護士への依頼方法とタイミング

 

■弁護士への相談のタイミイングと依頼のタイミング

 

弁護士へ依頼し、弁護士が相手との関係で窓口になるタイミングについては、ケースによりいろいろです。

もちろん、弁護士費用との関係で初期からの依頼をちゅうちょされる事情もあると思います。

治療が終了するまでの段階では、上記の内容で申し上げたところの「交通事故案件に強い弁護士」にアドバイスをもらえば、それを実行することで、スムーズに事が運んでいく ことも多いです。

この意味で、弁護士への初回相談は、事故直後間もない段階で受けていただくのが望ましいです。

先ほども申し上げたとおり、適正妥当な示談金を得るためには示談交渉前から、「心得」ておき、「準備」をしなければならないことがたくさんあり、これらがもれてしまうと適正妥当な示談金を得ることができなくなるおそれがあるからです。

 

■弁護士への依頼の方法とその手順

弁護士に依頼するには委任状と委任契約書に署名、捺印をいただくことが必要になります。

 

 

■示談交渉を成功させるために事前に準備すべきこと

当法律事務所では、最終示談をみすえて治療中からアドバイスを行っております。

治療中からご依頼をお受けしたケースでは、その都度必要な事柄を申し上げます。

示談交渉の段階からご依頼をお受けするケースでは、ご依頼をいただく際にご準備いただきたい事項についてもれなくお伝えいたします。

 

 

 

8 まとめ:弁護士を活用して示談交渉を有利に進めるためのポイント

 

●弁護士への初回相談は、事故直後間もない段階で受けていただくこと! 当法律事務所の初回相談は無料です!

 

●事故初期では、事故状況に関する対応や、けがの症状に関し初期に必要となる検査の実施が重要になりますし、治療中や治療終了時期にも必要な検査がありますし、 適切な後遺障害診断書の作成も重要になります。

これらの事項を被害者本人のみで行うにはやはり限界があるものと言わざるをえません。

したがいまして、弁護士と、 いつ頃から、どのようなかかかりをもってこれらの事項に対応していくかをその弁護士ときちんと話をして実践していくことが重要です。

 

●その弁護士自身が極めて多くの交通事故のけがの案件を取り扱ってきて、後遺障害等級問題を検討するのに必要な医学的知識を深く持ち、かつ、覚悟を 決めて交通事故分野にしぼって注力している弁護士を選ぶべきです。

 

 

当法律事務所では、交通事故で受傷した被害者の正当な思いに答えるべく、毎日、ほぼ交通事故のけがの案件のみを取り扱っております。 示談交渉のことはぜひお問い合わせください。