交通事故・高次脳機能障害事案に弁護士がなぜ関与する必要があるのか

たとえば、
交通事故にあい、鎖骨のうち肩に近い部分を骨折して、肩の動く範囲が制限された
というケースがありますが、この場合にはある程度残った障害の内容が目に見えるものといえますので、整形外科の主治医の先生も比較的発見しやすいものといえるでしょうし、患者(交通事故の被害者)も、自分の体の異変には比較的気づきやすく、そうであれば主治医の先生に異変を伝えることができるものといえます。

しかし、

高次脳機能障害については、交通事故により重傷を負い、被害者の方が介護を要する状態であることが明らかな状態や第三者から見て被害者の方の様子に明らかに異変があるという状態であればともかく、主治医の先生も気づかれずに時間が経過するというケースも少なくありません。

 高次脳機能障害が見落とされる理由のひとつふたつとして、

 高次脳機能障害では被害者自身自分の異変に気づくことができない
 高次脳機能障害でも比較的軽い方の症状は、第三者から見ても被害者に異常があるかどうかわからないことがある。

 ということがあげられると思います。

主治医の先生も、交通事故前の患者(被害者)の日常の様子を見ておられないので、診察時の患者(被害者)の様子が事故前と違うところがあったとしても、その程度によっては事故前後の様子の違いがわからないいうことが起こりえるからです。

 このようなときに、患者(被害者)本人が事故前後の自分の様子の違いを主治医の先生に伝えることができればいいのですが、

高次脳機能障害では被害者の方は自分の異変に気づくことができないので、それを主治医の先生に伝えることができません。

 このようなときには、

 被害者のことをよく知っているご家族、ご親族などの方からそれを聞くことになります。

 ただし、ご家族の方は、

 交通事故前後の被害者の日常の様子が違い・異変も、言われなければ気づかないことがあり、どのような違いや異変が重要となってくのかもわからない
被害者の様子がおかしいのではないかと思っていても、それを主治医の先生に伝えなければならないことかどうか、何を伝えるべきなのかがわからない

 ということが十分に考えられます。

被害者の異変がわからなかったり、ご家族の方がわかっていてもそれが主治医の先生に
伝わらなかった結果、高次脳機能障害が見落とされたままになってしまい、被害者の方は
受けた損害に相当する損害賠償を受けられなくなるおそれが出てきます

しかし、交通事故にあった後、早期の段階で、交通事故・高次脳機能障害にのことをよく知っている弁護士が関与することで、このような見落としを防げる可能性があります。
これが、交通事故・高次脳機能障害事案に弁護士が関与する必要の一つです。

高次脳機能障害が問題となるケースでは、いろいろな面で被害者の身内の方の協力は欠かせません。弁護士もご家族の方から色々なことをお聞きして弁護活動を行う必要があるのです。
当事務所では、脳挫傷、外傷性くも膜下出血、びまん性軸索損傷などといった受傷をされた交通事故被害者の方に関し、きめこまかいサポートを行っていきます。